ハリネズミちゃんがごはんを食べなくなってしまった時には、シリンジやスポイトなどを使って強制給餌を行わなければならない時があります。


今回は、ハリネズミちゃんの強制給餌について書いていきたいと思います。



ハリネズミちゃんに限らず、シリンジなどで強制給餌をする時に気をつけなければならないことが

誤嚥になります。


ハリネズミちゃんの場合、誤嚥してしまうと命の危険性があります。だいたい、強制給餌をしなければならない時は、病気である、弱っているなど、十分にごはんを食べるだけの体力がない場合が多いです。


たまに、偏食などでごはんを食べない子もいますが、その場合でも誤嚥には十分に気をつける必要があります。


当店では、ハリネズミちゃんの強制給餌の際、次の3つのポイントに気をつけています。


①シリンジは真横から差し込む

②ゆっくりと食べさせる

③仰向けにしない


それぞれについて書いていきたいと思います。


①シリンジは真横から差し込む


動物病院でシリンジを渡されてもその使い方について説明を受けることは少ないかと思います。


シリンジの持ち方は、シリンジを握りしめるように持ちます。そして親指でゆっくり中の液体を押し出すというのが、基本的な使い方になります。


口に対してシリンジを垂直(真横)に差し込みます。そしてシリンジと地面がほぼ平行になるようにします。


もし、口から流れ出たとしても液体が口の中ではなく、下(地面)に落ちるようにします。タオルやティッシュなどで受けても良いかと思います。


ハリネズミちゃんを背後から抱っこしてシリンジで与える方法は高度な技になりますが、この時のポイントもシリンジを真横から差し込むことになります。注意点としては嚥下の確認が取りづらいので、誤嚥のリスクが上がります。


シリンジでごはんを与えなければならない時は、水や食べ物が気管に入らないように、蓋をする働きをする喉頭蓋の動きや喉周辺の筋力の低下により嚥下機能が落ちている可能性があります。


ハリネズミちゃんの意図しないタイミングで水やごはんが口の中に入ってしまうと誤嚥を誘発する恐れがあります。


また、口の前からシリンジを歯で咥えさせてごはんを与えられた場合、意図せずシリンジの中の液体が飛び出すことがあります。この与え方の場合、誤嚥の可能性が非常に高くなり、誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。


ハリネズミちゃんの場合、誤嚥=命の危険性が非常に高いということを覚えていただけたらと思います。


②ゆっくりと食べさせる


これも誤嚥を防ぐために大切なことになります。シリンジを握りしめて親指でシリンジを押すのは、親指の力加減を調節できるからになります。


③仰向けにしない


これも今までの話からもお分かりになるかと思いますが、喉周辺の筋肉の低下により正しく嚥下できない可能性が高いです。自然とごはんが体内に取り込める無理がない姿勢で与えられるのが良いかと思います。




色々と気をつけることはありますが、まずは上記の3つがシリンジでの基本的な強制給餌の方法になります。


すべての生き物たちが健やかに過ごせますように🍀