アメコミ映画はつまらないといいながらも、またしても公開日に「パニッシャー」を観にいく自分が不思議でなりません。

 FBIの潜入捜査官だった主人公がマフィアに家族を皆殺しにされ、パニッシャーとして復讐を開始するというこの「パニッシャー」ですが、なんとも中途半端な映画でした。アクション映画にしては設定がチープすぎるし、ヒーローモノというほど派手でもありません。どっちつかずの内容で、映像もクールと言えたものではありません。ほんのり20世紀の香り漂うアクション映画でした。

 さらに悪いことには今回の敵役のジョン・トラボルタがまったくいかせてません。ジョン・トラボルタですよトラボルタ!悪役やらせたら右にでるものはいない彼ですよ。ジョン・ウーとタッグを組んだ「ブロークンアロー」で悪役に開眼し、続く「フェイス・オフ」ではニコラス・ケイジと伴に「ファッキンピーチ!」と叫びたくなる(フェイス・オフ参照のこと)ほど素晴らしい悪役を演じ、「バトルフィール・・・は置いておいて、「ソードフィッシュ」ではクールな悪役がすっかりはまり役になったあの、トラボルタですよ!それがこの映画の中の扱いはなんですか、やられっぱなしのヘタレマフィアですよ。嫁の尻にもしかれてますよ・・・。敵役の輝いていない復讐モノほどつまらないものはありません。

 この映画をトラボルタ目当てに観に行く人は、もう一度家で「フェイス・オフ」を観たほうがずっと精神的にいいですね。とりあえず、原作ファンの方はどうぞ。