おじゃまいたします～👘
風通しついでに…ひょっこり入室し
2019年ものの記事に似合い風な🎵コラボ曲【火事と喧嘩は江戸の華】末巻に添えて参りました(*^.^*)
さて…
二月ももう…半ば
早いことったら ありゃしません
皆さまいかがお過ごしでしょうか…
さて今日はべつばら…もとい
お江戸「おせい」の舞台裏
ある「寺子屋」に奉公する
そそっかしい女…おせいの愚話を
ちょいとばかし
時代風に焼いてます
どうぞ…三分ばかし寄り道をなさっておくんなまし
◆◆
二月のあたまのこと…
この日は朝から予報の通り
初雪がちらちらと降り出し
おせいは…
通い道に架かる小さな橋「天秤橋」で
冷たい雪の花がその頬に触れると
…ちょいと心踊らせて勇み足
奉公先の寺子屋までは…おせいの宿から
歩いて五分てなもんだから
その五分てのが…おせいを油断させ
毎度のこと…定刻すれすれ滑り込む
部屋の奥で
着物を替え…割烹着を羽織り
床が滑るゆえ
滑り留めの足袋を…重ね履きすると
…てらやま おせい…名札をつけた
寺子屋の「すぎな部屋」では
二才…三才児…二十名ほど
めいめいが お絵描きをしておった
手習い師匠らは…六名ほどおって
昼の給仕と世話やらに
てんやわんや…
そんな時分に 突然…！
火事を報せる金属音が
けたたましく鳴り響いた！
ｶﾝｶﾝｶﾝ…カンカンカンカン！！
「てえへんでえ！ 火事だ！火事だ！
火元は 向かいの 長屋！
火の回りが早えぞ
風向きが良くねぇ！
皆々！裏口から避難せぇ！」
小屋長が…長い廊下を小走りし
五つある部屋に避難を呼び掛けた！
すぎなの部屋では
怯えて泣きじゃくる幼な子らを
部屋の真ん中に集め
おせいは
避難用 巾着袋を背負うと
二人の子の手を取った
避難 誘導……»»勇み足！
ぞろぞろ列を成し
裏口下駄箱まで来ると
おせいは…
足袋 二枚じゃ きつくて
外ぞうりが履けやしない！
一枚脱ぎ捨てると
「すのこ」 を渡ろうと
その瞬間！
あ！！
足を滑らせ
尻もち ！！
あいたっー！
土間に尻を打ち！
脳天に震痛が走った！
そんでも…咄嗟に両手を放したゆえ
子らは無事であり安堵した
おせいは 尻餅の格好で
声を絞り出し目の前におった
小屋長に助けを乞うた
「どうか この子らを裏口へ！」と
「おせい 、しっかりし！ 立てるか？」
「うぅ……」
顔を歪め 何とか座り直すと
おせいは思った
わたしときたら ～川の中洲の岩
童子らは ～脇を通る水流～
置いてきぼり…
ｶﾝｶﾝ…カンカンカン～！
小一時間ほど経つと…騒ぎは鎮まり
避難を終えた皆の衆は
裏口から…わんさかさ戻ってきた
「通告する！！
向かいの長屋は鎮火したが
三軒両隣りは延焼しちまったそうな！
こっちはこっちで！
おのおの の部屋で点呼をし
童子らの無事を報らせぇ！」
「全員無事でありんす！」
そう…無事で
ﾃﾞﾝﾌﾞ
おせいは…医務室で臀部に湿布を当てがうと
痛みは和らいできたんで
それから…土間に戻っては
すのこにしゃがんでみる…
このすのこ…艶塗りしてる
つるんつるんぢゃあないの
寺のお廊下じゃあるまいしさ…
あぁ
滑り止め 一枚脱いだばっかしに
悔しい
おせいは
すのこを撫でながら…ぼやいた
こうして月に一度の
避難訓練 …は無事に終わったそうな…
❄️
一夜明け…翌朝も雪…
小雪の舞う中 おせいは
馴染みの 足袋屋へと出かけた
「あら…いらっしゃい…」
「おかみさん…
滑り止めの足袋を下さいな
昨日は…痛い目に遇ってさ…」
「あぁ…耳にしたえ
すのこで 腰を抜かしたんだってねぇ？」
「まあ…そんなとこ…」
店の奥から…旦那はんが
顔を見せた
「しかし…おせいさん
それ…訓練で良かった
子らも無事だったそうで…よごさんした…
腰は痛むかい？」
まだ…ちいとばかりね…
おせいは…
足袋を風呂敷に包むと腰をあげ
店の暖簾をめくると
「あ…雪…やんでる…」
おせいや！
雪の橋で転ばんよう気いつけ！
おおきに…ほなね
安堵したせいか…おせいの小腹が
ぐうと鳴る…
◆◆
おせいの勇み足は
姉の店「餅茶屋」へ向かっていた
「こんにちわ…姉さん」
「あちゃ…おせい…
いらっしゃいな
そうそう…小耳に挟んだわ
あんた…まーた尻餅を？」
えぇ…訓練でね
そそっかしいて…懲りないわぁ
それよか姉さん…店先まで聞こえたえ
…がみがみそやそや
また喧嘩してなさったん？
まそんなとこ…
もう済んだわ…ｱﾊﾊ
わたし今朝からおまんまお預けなの
磯部餅と…おでん…ちょうだい
はい…お上がりなさぃ
名物 女将の焼きもち
名物 長 屋 磯部餅
名物 お江戸新宿 塩おでん
「おいしかったわぁ…ごちそさん」
台所から旦那はんが
顔を覗かせて言った
「おせいはんや……大泉橋の
濡れ落ち葉にゃ…重々気いつけや」🍂
兄さんおおきに
おふたりも仲良うね… …ほいじゃ
ちょいと拝借…
おせいは…大泉橋の手前まで来ると
「立て看板」に足を止めた
「滑るな危険！！」
❨立札屋 春馬屋❩
これ名案やわ…春馬屋 はんたら
ええ仕事してはる…ふっ
そうそ…寺子屋に立てようかしら…
「滑るの禁止！」 て…
おせいは…ぷっ…と吹くと
橋を渡ろうと…勇み足
いけない…いけない…
濡れ落ち葉… 🍂🍂
勇み足を緩めるおせい…であった
おしまいで ござんす。
勇み足勇み足って何べんも
しつこうごさんしたねえ 笑
てなわけで
「たかが濡れ落ち葉…されど濡れ落ち葉」
雨…雪…道のツルン！
お足もとには重々ご注意を！🍂
「火事と喧嘩は江戸の華」
あっという間に燃え広がりますゆえ
火の始末とお喧嘩にはご注意を！🔥
さて「本日のお題」…これお約束
「絵に描いたような 尻餅」 笑
磯部餅はべつばら😋
はてさて…このあとおせいは
滑らず暮らしてるかどうか…それは
みなさまの想像にお任せ申しあげまする…
3分超…終わりまで読んで下すって
おおきに…ありがとさん
ちょいと拝借
お江戸おせい…🍂完！
( 初稿 2019 2 19 )
さてここでひょっこり登板(笑)
🎵演歌とラップとGuitar🎸の
コラボレーション追記しました
