朱華にものすごい剣幕で怒られた恭一は、ご機嫌とりに朱華と遊びに出かけることにし、メールを送った


『朱華、二人で会いたいから、商店街入り口に待ち合わせな』


それを受けとった朱華


「ふ、二人で……で、デートでやがりますか? こ、これはどういう心境のへ、変化が恭一さんに……」


朱華はとにかく恭一に返信をした


『わかりました。とびっきりおしゃれして行きやがります。覚悟しやがりませ』

「か、覚悟? まだ朱華怒っているかな?」

『わかってる。覚悟決めるさ』


そんな返信を恭一は返した


「覚悟決めるって、ま、まさか告白とかされたり……」


勘違いが勘違いを呼び、恋と混乱のスパイラルが巻き起こる


「待たせたな朱華……あ、朱華なのか」

「こ、こんにちは、恭一さん」


朱華の格好は、普段の朱華には似つかない、ピンクのふりふり。どうやら、虎虎や咲直、千恵が絡んでいるようだ


「どうした朱華?」

「その、気合入れてきやがりました」

(気合だと?朱華、そんなに激おこなのか)

「そ、そうか。じゃ、気合入れて行くか」

「は、はい恭一さん」

(おしとやかにおしとやかに……恭一さんにいい印象を)


よそよそしい朱華と警戒心バリバリの恭一。傍から見るとデートのように見えるが、それは恋と勘違いのスパイラル


「どこに行くか? なにもなければゲーセン行くか」

「それがいいでやがります」


ゲーセンのパンチングマシンをやることにしたが、普段は手加減して150キロを叩き出す朱華だが


「うぉりゃあ!」


叩き出した数値は『3? ?』という数字と煙を噴くパンチングマシンだった。

朱華目的のギャラリーも蟻の子を散らしたようにように散っていった


(ま、まじかよ、朱華、マジで激おこなのかよ)


その後、パンチングマシンを壊したことで居たたまれなくなった二人は安心安全安定の定番『ゆうえんち』へやってきた


「ここなら、乗るだけだし壊すことはないだろ」

「そ、そうです……ね」

(ゆ、ゆうえんちなんて恭一さん、本気でやがりますよ。ほんとにどうしやがりました?)

(なんで朱華は震えてるんだ?まさか、ご不満なのか?)

「朱華、何にする?」

「え? あ、じゃあ」


適当に指を指した先は『お化け屋敷』。それも生身の人間がやっていたり、ガチの心霊現象で、かなり有名な危険なアトラクション


「これにか?」

「はい……お化け屋敷!?」

「おまえが選んだろ」

「そうでしたっけ……」


廃墟の病院をモチーフしていて、脱出までに1時間は要するという大迷宮だ。大迷宮とはいえ基本的に一本道なのだが


「うぎゃー!」

「あ、朱華殴るな殴るな」

「どわぁ」

「だから朱華殴るな!なんで本物の妖怪退治してる奴がこれでにびびってんだよ」


出て来るモノ、ヒトを片っ端から殴り飛ばし、悲鳴を上げるのはお化け役。

しかも、途中で警備員にしょっ引かれ、追い出された


「や、やっちまいした」

(おしとやかに考えてたのに}

「そ、そうだな」

(そんなに一昨日のこと怒ってんのかよ。どうするかな)

「お、朱華、あれに乗ろう。たぶん、これが最後だしな。時間的に」


恭一が指をさしたのは、夕暮れをバックにした観覧車。

そして、イルミネーションが点灯して、雰囲気は最高潮に