新井の退団が決まった。

阪神ファンの中では、「寂しい」だとか「ありがとう」だとか言っている人をよく見かけるが、僕は特に何とも思わない。ここで断言しておく。

金本の後を追って広島から阪神にやって来てもう7年。
7年も居れば、この男に関係した思い出の試合がいくつか挙げれるはずだが、これに関しても何も思いつかない。
一度も優勝してないというのが大きな原因の一つなのかもしれないが、本当に思いつかないのだ。

強いて挙げるならば、2012年のファン感謝デーでのゲッツー後の土下座だろうか。あれは現地で見ていたということもあって強烈に印象に残った。

しかし、この7年間で867安打、499打点、本塁打も20本を超える年は無かったとはいえ86本打っている。
それにも関わらず、この男のおかげで勝ったというような試合がなかなか思いつかないというのは、非常に稀な事だと思う。
もしかしたら、ファンが多いのはこれが原因なのかもしれない。つまり、この男は他の選手には持っていない何かを持っているのだ。
それは、4番だけに関わらず、どの打順でもチャンスで回ってくる事なのか、チャンスの場面で綺麗な643の併殺打を打つ事なのか、平凡なファールフライを落球する事なのか、あるいは別の何かなのかもしれないが、いずれにせよ、この男がファンを惹きつける何かを持っているのは間違いないだろう。

退団の話に戻るが、来年以降はおそらくこの男にとって非常に厳しい戦いになると思われる。そもそも、拾ってくれる球団があるかどうかも正直怪しい。
それでも、僕はこの一人の野球選手としての決断を応援したい。

最後に、7年居て思い出が何も思いつかないとはいえ、上記のような数字の成績を残しているのは確かなのだから、阪神タイガースに新井貴浩という選手が居たというのは紛れも無く事実だ。
かと言って僕は「ありがとう」とか「他球団でも頑張れ」とか言うつもりは全く無い。

さらば 新井貴浩