監督 ブライアン・シンガー
出演者
トム・クルーズ
ケネス・ブラナー
第二次世界大戦下のドイツ。1943年4月、ドイツはすべての戦線で敗退を続け、ドイツの敗色は誰の目にも明らかだった。しかしヒトラーは、あくまで最後の勝利を目指して戦争を続けようとする。
北アフリカ戦線で、左目、右手、左手薬指小指を失う重傷を負ったクラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐はそんなさなかに、ドイツに帰国して ベルリンの予備軍司令部勤務となる。しかし、予備軍司令部は反ヒトラー派の国防軍将校の巣窟でもあった。それまでベルリンの反ヒトラーグループの軍の中心 メンバーであったハンス・オスター大佐がゲシュタポに逮捕されたあと、反ヒトラーグループでは新たな活動的なメンバーをさがしていたのだった。
ワルキューレwiki
調べてみると、実際にヒトラー暗殺は個人のものも含め40回以上もあったそうだ。これはそのうちのひとつ。もっとも大がかりなものとして位置づけされているワルキューレ作戦である。
まず、音楽がいい。担当はジョン・オットマンというかたなのだが、緊迫感を見事にかもし出していて、最後までそれをとぎらせないのは、この音楽の力によるものなのかも。
トム・クルーズに関しては賛否両論かも知れない。実際のシュタウフェンベルク大佐も相当な色男だったらしいが、いかんせん数々のスパイ物を演じてきた彼がやることで、何か裏が隠されているような気分にすらなってしまう。
また、ドイツではサイエントロジーは悪質なカルトとみなされているため、広告塔であるトムが反ナチの英雄シュタウフェンベルク(敬虔なカトリック信者)を演じることには強い反発が起きたらしい。
内容に関しては、実際の史実にかなり忠実に描かれているようだ。そう思うと、当時の実際の将校たちの命がけの作戦はどれだけの困難の上に成り立っていたのか、想像に難くない。それを突き動かした信念とはいかばかりか。逆にそうまでさせる、ヒトラーの圧政とは。
ドイツ名であるがゆえなかなか人名が頭に入ってこないのだが、それぞれのキャラクター付けがしっかりしていたのと、脇を固める役者陣の演技と個性 のお蔭でそれほど迷わずに観ることが出来た。しかしながら当然、英語で交わされる会話には違和感はぬぐえないが、ここはもう割り切るしかないのかもしれな い。また、割り切ってしまったほうが、よりストーリーにのめり込めるものなのだろう。
先にも書いたが、何はなくとも緊迫感の映画だ。ハラハラドキドキ、楽しめました。7.5点