「ターミナル」(2004・米)


監督 スティーヴン・スピルバーグ

ビクター・ナボルスキー トム・ハンクス
アメリア・ウォーレン キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
フランク・ディクソン スタンリー・トゥッチ
レイ・サーマン バリー・シャバカ・ヘンリー
ジョー・マルロイ シャイ・マクブライド
エンリケ・クルズ ディエゴ・ルナ
ドロレス・トーレス ゾーイ・サルダナ
グプタ クマール・パラーナ

アメリカ、ジョン・F・ケネディ国際空港の国際線ロビー、入国手続ゲートでクラコージア人のビクター・ナボルスキーは足止めされていた。母国のク ラコージアで、彼が乗った飛行機が出発した直後クーデターが起こり事実上国が消滅。そのため、彼のパスポートは無効状態となり、入国ビザは取り消されてい たのだった。

ターミナルwiki



さすがスピルバーグといいますか、さすがの安定感でした。何の心配もなく楽しめます。
ジャンルとしては人間ドラマ・ロマンス・コメディといったところでしょうか。

主役のトム・ハンクスは英語をしゃべれない(序盤は特に)という役柄で、表情や態度での演技が多く、その中で「とにかく素朴で底抜けにいい人」と いうものをあらわしているいるのは凄い。その純粋さはまるで少年のそれで、自然と応援したくなっちゃう心理をうまく利用しています。

ヒロインでもあるアメリア役のキャサリン・ゼタ=ジョーンズ、今まで観た中で一番良かった。何て言うのかああいうかっちりした制服とかが超似合う んですね。しっかり絞って挑んだのか、設定年齢よりもずっと若く綺麗に見えました。必要以上に彼女について掘り下げなかったのも良かったのかも。

僕がCAに弱いだけでしょうか。。。


空港の国境警備局主任のディクソン役のスタンリー・トゥッチも良かったですね。バーレスクの衣装係のあの人。本作では自分の都合の中に正義がある という、まさにアメリカの象徴的存在でシニカルな役回り。勝手で、邪魔な存在ですが、実は一番現実的な判断をしているというのがミソです。とても好きな役 者さんです。

顔は優しいスタンリー


脇を固める俳優陣の個性も光り、エンリケとドロレスのくだりや、味と含みのあるレイ・サーマンに憎めないグプタ(何気に器用)など、ちょいちょい楽しませる手法もぬかりありません。

正直、物語が始まってちょっとの間は、これでどうやって2時間引っ張るつもりだろうと懐疑的に観ていました。でも何のことはない、気が付いたら普 通に楽しんで、普通に応援して、あっという間でしたね。この辺はテンポというか、さすがのスピルバーグというところなのでしょう。

注文がなくはないですが、そこは映画、細かいことは抜きにしてもいいでしょう。ほっこりできる映画として秀作だと思います。7点。