稀に見るクソ野郎

 

アニメ好きがワンクールごとに迎えるのが、楽しみでもあり面倒臭くもある(あ、言っちゃった)新アニメのチェックではないでしょうか。かく言う私もそうなのですが、この作品、1期放送時点ではチェックを外してたんですよね。見てませんでした(録画もしてなかった)。それが今回、2期が放送されると言うことで、人気あるんだな?じゃあ見てみよっかな?と思って、1期を一気見したんです(1期だけに……)。

 

結果、思いましたね。長年培った私の勘は正しかった、と。見なきゃよかった、と。時間を返せ、と。

 

冒頭のサブタイにも書いたように、主人公がクソ過ぎる。当初は、気になる女の子をおかずにしてマスをかく、どこにでもいる、馬鹿だけど愛すべき野郎なのかと期待しながら見てました。それが……。まあ、嘘の上塗りを続けて全く成長せず、挙句、自分を好きになってくれた女の子を"虚言癖”呼ばわりする、男の風上にも置けないクソでした。虚言癖はおめーだろ!!!

 

この主人公、自分が"クズ”だとの認識はある様子。ただ、さっき書いた通り、全く成長しないので、自分で自分のことを"クズ”と言うのが、単なるその場しのぎの言い訳になってしまっている。なので、何度もそれを言われると、見ていて吐き気がしてくる。(世の中の淑女の皆さん。自分で自分のことを"クズ”とか言う男を好きになっちゃダメですよ)

 

作者は、噓から出たまこと的な物語を描きたかったのかもしれない。だとしたら、自分(たち)が嘘をついていたことを打ち明けて、一旦リセットしてからやり直さなきゃでしょ。まあそうるすと、「メインタイトルはどこ行った?」って話になるわけですが。

 

いつになったら自分(たち)がついてる嘘と、それはつまり自分自身と、ちゃんと向き合うんだろう?と思いながら見てたけど、成長しない彼らにそれを期待しても無駄だと諦めた。自発的にそれはないと諦めた。

 

だったら、外的事情によって向き合わざるをえなくなることを期待した。その最たるものが"お金の問題”。私の記憶が間違ってなければ、最初の1日デートで4万円を渡していた。それ以降も、毎週レベルで会っていて、その都度女の方が商売で会っていることを確認していた。となると、月間10万レベルで散財しているはず。

 

そして、これも私の記憶が間違ってなければ、物語の冒頭で通帳に200万円あったはず。そのお金がどういう位置付けなのかはわからない。ただ、住んでるところが貧乏アパートだという設定を考えれば、200万円全てが自由になるお金だとは考えづらい(仮に自由にできるのなら、その設定がどうかしている)。単年度の予算ですらないのかもしれない。その内の100万円以上を1年で女にぶっこんでやって行けるわけがない。続くわけがない。

 

そこから水漏れが始まって、自分の嘘に向き合わないといけなくなることを期待した。それが、ちょっとしたバイトを始めただけで、しかもその初任給をなんか良い人アピールに使う始末。あほなのか?(いや、あほ設定なんだけどさ……)ここに来て、作者自身に期待をしちゃダメなんだと理解した。

 

自分の夢のためだかなんだか知らないけれど、学生からあれだけ金を巻き上げ続ける女も女なら(フツー、「お金大丈夫なの?」とか、「もうやめなよ。お金いくらあっても足りないよ」とか言わん?仮にも同級生やで?)、見ててこんだけ腹の立つクソ男もなかなかいないという作品でした。

 

余談:最終的には、最初に付き合ってたビッチっぽい子にカタルシスを覚えたよ(笑)そしてもちろん、2期は見てません。