私は壁に頭を打ち付けている。左腕にカッターで文字を刻んでいる。これは狂気だろうか。だとしたら、狂気とは何と健全な、快楽的な状態だろうか。もちろんこれは入り口にすぎない。これ以上ひどいことなどいくらでもあり得る。こんな記録に打ち込んでいられるのだから、
私は全然気が違ってなどいない。単にふと、そうしてみようと思うようになったのだ。私は意識できる。誰かが私のこういった行為を見てしまったら、即刻精神病院に送りこまなればならぬと思うはずだ、と。それがわかるということは、つまり私は正常だということだ。人前でそうしないようにすることはできる。私が一人でいる時にどんなことをしているのか、盗撮でもしていない限り彼らは知り得ない。