カマキリ
「ちょっとあんたさっきからなんであたしのこと見てんのよ!」
『あっ、ご、ごめん、バレてた?』
「バレてた?じゃないわよ、いやらしいね」
『い、いやそのついステキだったんで、その、ごめんなさい』
「見え透いた嘘ついてんじゃないわよ」
『いや、ほんとに美しかったんで、ほんとにごめんなさい!』
「そう?ほんとに?」
『はい』
「ふんっ!やっぱりそんな言葉にだまされないわ」
「そうやって何人の男にだまされたことか」
『えっ、だますとかそんな…』
『あなたのことがほんとうに綺麗だと思っただけです』
『よかったら写真撮らせてもらえないですか?』
「あんたバカ?、あたしはカマキリよ」
「たいていの男はあたしを見ただけで逃げ出すわ」
「時にはあんたの手だって切れるほど噛むわ」
『いえ、僕は噛まれても大丈夫です』
『ちょっと痛いけど皮膚なんてまた再生します』
『それにあなたは噛まないって信じてます』
「そう、それじゃ手のひらに乗せてみてよ」
『はい、ではお言葉に甘えて』
「あら、あなた生命線だけは長いわね」
『えっ、手相も見れるんですか?』
「あたりまえじゃない、伊達にカマキリなんてやってないわ」
「金運は~良くもないけど悪くはないわね」
「あらー2本もあるわ結婚線」
『いや1本は単なる傷です』
「そう、じゃーあたしが3本目つけてあげましょうか?」
『い、いや結構です、結婚線は1本で充分です』
「そう、残念だわー」
「ま、あたしも暇じゃないし、そろそろ行くわね」
※カマキリはこちらがギュッと掴まないかぎり
噛んだりしません


















