こんにちわ、はらペーです
いきなりですが、皆さんは見た夢を覚えていますか?
私は比較的夢は覚えている方で、一番記憶に残っている古い夢は小学低学年の頃に見た、色んなペプ⚪︎マンが永遠と追いかけてくる夢です。
夢を見る理由の大半は、“脳が蓄積した日常の情報を整理するために見るもの”とされています。
私も普段は至って普通の支離滅裂な夢ばかりですが、時折夢と並行して起きる霊現象も何度か体験しており、今回はその一つを書いていこうと思います。
※実体験のため、解明できておらず中途半端でスッキリしない状況の話もある事をご了承ください。
今日のテーマ
「カントリー人形の悪夢」
約10年前、ひとり暮らしをしていた時のこと。
当時アンティークにハマっていた私はずっとやりたかった室内の装飾に胸を高鳴らせ、
癒しの場として至る所にアンティークのグッズを飾りつけるのが日課になっていた。
ある時、父が海外出張でドイツに行った際、原産のお土産をたくさん買ってきてくれた。
木材で作られたワインコップ、スノードーム、ロザリオ、キャンドルスタンド、カントリー人形…。
まだグッズ収集を始めたばかりの私は嬉しさのあまり透明なケースに入れて玄関に飾ることにした。
ある日のこと。
残業が長引いて帰宅後すぐに限界がきてしまい、廊下とリビングのドアを通って施錠した後
布団にたどり着いた時には記憶がなく、私は深かい夢の中へ沈んでいった。
ふと気がつくと、昭和時期の日本の住宅街の中に立っていた。(例えるならば“サ⚪︎エさん”の町並み)
空は綺麗な黒、目の高さくらいまでしかない石垣の塀、殆どが1階建てであろう低い平屋が立ち並び、人っこひとりいない閑散とした街並みだった。
“あっ、これは夢だな”
私はすぐに夢の中にいることに気がついた。
しばらく歩いていると、私は小型犬(イタリアン・グレーハウンド)のリードを持って一緒に歩いていることに気がついた。
暗く迷路のような住宅街をひたすら小型犬と共に歩いていると、ふと一軒の平屋から人の気配を感じ立ち止まった。
ギリギリ中が覗ける高さの石垣の塀からそっと中を覗くと、家中の襖や障子が開いており、
普段隔てているであろう畳の部屋がまるで一本の廊下のように奥深く暗闇に向かって続いているのが見えた。
しばらくのぞいていると、室内の右側から1人の老人が歩いてきた。
性別はわからないも髪は乱れており目が虚ろ、浴衣は着ているが襟元は肩からずれ落ち、正気の感じられない雰囲気であった。
手で赤い何かの塊を握り引き摺りながらゆっくりと歩く姿を見て、背筋に寒気を走らせるのには時間はかからなかった。
“これは、私の存在を気付かれてはいけないやつだ。ここにいちゃいけないんだ。どうしよう”
ふと老人の手を見ると、握られた赤い何かは父からもらったカントリー人形にとても似ていた。
そのまま逃げればいいのに、その歩いてくる人影と人形から目が離せず動くことができなかった。
どのくらい見ていたのかわからない。
カリッ、カリッ
ドキッとして下を見ると、引き連れていた小型犬がこちらを見ながら爪で地面を引っ掻いている。
“やめて〜っ”
心の中で咄嗟に思ったのも束の間、中の老人もその音に気がついたのか頭が取れてしまいそうなほどの速度でこちらに視線を向けた。
目が合った瞬間、
「きえええええええええええええええええええ」
ものすごい形相と奇声を発しながら、人形のような不自然な関節の動きでこちらに向かって走ってきた。
「きゃああああああああああ!」
私は来た道を引き戻し必死に走った。先頭の犬が走りながらも私を確認し、まるで誘導するかのように道を移動する。
けれども、ひたすら追いかけてくる。老人は速度も変わらない。引き離す事ができない。
次第に見覚えのある街並みに出てきた。先ほど仕事から家に帰ってきた時に通った道だ。
でも違うのは、空が異様に暗く警察署や消防署もあるのに人気が一切なかった事。
夢のはずなのに疲れが酷く、足取りも重くなってきた。すぐ後ろには拳大の大きな光る目玉でこちらを見て走る老人が迫ってきていた。
“捕まる…っ”
そう思った瞬間、気づくと部屋の中で横たわっていた。
私は安堵し上半身を起こそうとした時、まるで縛られているかのように体は動かなかった。目は閉じている感覚があるのに、部屋の中は見渡せている。
“金縛りか!?”
そう思ったのも束の間、ある違和感に気がついた。
普段は敷布団で寝ている私は、その高さに合わせてテレビなどの家具を設置していたのだが、
今はカーテンレールの上や天井に手を伸ばせば届きそうな距離に私は寝ている…。
“えっ、どういうこと!?何これ”
キィ…、バタンッ、ペタッ、ペタッ
考えがまとまる前に誰かが玄関のドアを開けて入ってくる音が聞こえた。
“あっ、あいつが追いついてきたのか!?”
そう思ってどうにか体を動かそうとするも全く動く事ができなかった。足音は徐々に私の寝ているリビングに近づいてきた。
キィ…。
リビングのドアが開いた瞬間に見えたのは、父からもらったカントリー人形だった。
しかし大きさが異様に大きく、上半身など容易く飲み込んでしまいそうな大きな顔、拳大の黄色く光ったボタンの目玉、
紐で縫い付けられたにっこりした口、頭の半分のサイズしかない体。
“こいつが追いかけてきたのか”
目は閉じているのに、左側に大きなボタンの目玉が私を凝視しているのがわかり血の気が引いた。
「みィつけた。」
カントリー人形は、紐で縫い付けた口を大きく開き不気味に笑ってそういった。
“喰われる”
そう思い、咄嗟に思いっきり叫んだ。
「きゃあああ!」
体の拘束感が一瞬で消え飛び起きた。辺りを見回すとまだ外は暗かったが、尋常じゃない汗と鼓動で頭が痛かった。
ガタンッ
玄関から音がした。
リビングの部屋の電気をつけ恐る恐る玄関を覗くと、カントリー人形の入ったケースとその近くに置いていた小さいだるまが落ちていた。
それ以降この体験はなかったが、念のため実家に持ち帰り翌年の正月にお焚き上げをしてもらった。
ここまでが私の体験談です。
後日、霊感のある職場の先輩に体験談を話したところ、
「多分だけど、夢の中でいろんな道を通ったんでしょ?で、いつの間にか現実っぽいところに出てきたってことは、何かしらの手順ではらぺーさんを追い込み、魂だけの状態(幽体離脱)にさせて食べようとしたんじゃない?」
そう笑ってポテトチップスを頬張っていた先輩の顔を今でも忘れられません。
ここまでご一読ありがとうございました。
\当時、自宅に置いてあったもの/