最近、セクハラに対する制裁が厳しくなっていますが、その傾向に警鐘を鳴らす判決が出ました。
◎セクハラで即解雇「重すぎる」 東京地裁(MSN産経ニュースより)
部下へのセクハラ行為で懲戒解雇とされたのは処分が重すぎるなどとして、機械メーカー「椿本チエイン」子会社の元男性役員が同社に社員としての地位確認などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は24日、解雇処分の無効を認め、同社に未払い分の賃金を支払うよう命じた。
白石哲裁判官は「男性の言動は単なるスキンシップなどというもので説明できず、職務や地位を利用した違法なセクハラ行為」と認めた上で、「男性に何らの指導や処分をせず、労働者にとって極刑である懲戒解雇を直ちに選択したのは重すぎる」と述べた。
判決によると、男性は平成18年、会社の慰安旅行の宴会で複数の女性社員を周りに座らせて手を握るなどしたほか、「最近きれいになったが、恋をしているんか」「女性も男性に抱かれたいときがあるやろ」などと品位を欠いた言動をした。さらに、日常的に女性社員の肩を抱いたりするなどしていたため、同社は18年12月に男性を懲戒解雇処分とした。
確かに、この男はスケベにちがいありませんが、この程度で懲戒解雇はないでしょう。もしかすると、それ以前からも同様の行為を繰り返していたのかもしれませんが、判決のなかにあるように、会社側は指導など、いわゆるイエローカードを出さずに、いきなりレッドカードはひどすぎます。
ただ、この男が会社に復帰したとしても、周囲は彼のことを温かくは迎えないでしょう。とくに女性社員は。会社側も不況で人件費をカットしたいのに、クビにした社員が戻ってきたということで、なんとか辞めさせるように、あの手この手を打ってくるでしょう。
一方で、このご時世で再就職は難しいので、この男の方も、周囲の目や会社からの仕打ちに耐えて、なんとしても会社にしがみつくことでしょう。この男の復帰後の様子を知りたいものです。
