久しぶりにマニキュアを塗りました。
 オレンジやピンクや、きらきらする明るいみずいろ。
 あまりうまくはいかなかったのですが、誰のものだかわからないような華やかな指先です。

 スーパーで花を買いました。
 オレンジ色のバラが入ったささやかな花束です。
 あまり長持ちしなかったけれど、テーブルのうえに別の世界ができたようでした。

 しなくてもいいことです。どっちでもいいようなことです。ふと、色彩を変えてみたくなりました。無駄と言えば無駄なことだと、自分でもどこかで思うのです。けど、やらなくてもいいことは、やってはいけないことじゃない。

 行ったことのない美容室を予約して、髪を切りました。
 鏡の中に見慣れないひとが映っていました。
「それは『新しいわたし』ですよ」
 美容師さんが笑ってそう言いました。

 新しいこと。新しいわたし。やったことのないこと。やったことないわたし。

 体に合わなくなった服を買い換えました。
 ゆっくりとではあるけれど、わたしも変わっていく。こどものころほどめまぐるしくはないけれど、少しずつ少しずつ、それでも進むのです。



 ここまで一生懸命書いたんですけど、次男に「えー面白くないこと書くのは悪いことよー」とダメだしされてしまいました。
 なので、たぬきについて書きます。ええ、言われるがままです。
 どうしてもたぬきがよかったんだそうです。たぬきー。
 たぬきって「た」「ぬ」「き」じゃないですか。「た」「ぬき」だとすると、なんか意味がありそうです。「た」を「ぬく」んでしょうね。きっとね。
 でも、「たぬ」「き」かもしれません。
 なんだ、なんなんだ「たぬ」って。たぬたぬって鳴くのならともかく、ねえ。たぬきー。

 支離滅裂になりましたが、次男のせいにできるのでなにも問題ありません。
 あまり真剣に考えるべきことでもなかったみたいです。