この国のゆくえは・・・
1)地震を体験して
僕の職場は武蔵小杉にあって地震が起きたとき、8Fのフロアは船が大きく揺れている感覚で、誰もさほど騒がず停電が起きても冷静に仕事を続行していました。
でも、その後2時間ほど経過してNoteパソコンのバッテリーが切れそうになってようやく仕事ができないことで皆が騒ぎ始めました。
電車が全線止まっているので、覚悟を決めて7時過ぎにオフィスを出て寒い中てくてく歩いて、我が家に着いたのは12時前だったと思います。
リビングで足をマッサージしながら、TVを付けてそこで初めて事の甚大さに驚きました。そして涙ました。
土曜が過ぎたあたりから、急に自分の心の奥のほうで、日本の将来に対する言い知れぬ不安と脱力感にさいなまれてしまいました。まるでブラックホールの闇の中に落ちていく気分です。
・・・
米国のWSJでは日本の災害対策に備える技術や日本人の資質に対して絶賛していましたが、そんな記事を
取り上げている日本の記者は、いったいこの国の何を分かっているのだろうか?
2)津波について
この地震でわかったこと、それは海抜の低い土地に住んでいる人や、そういったオフィスに勤めている人・企業は今回のような津波に対する不安や覚悟を、将来いつまでも持ちづづけなければならないということ。
日本の政策は、確かに地震そのものへの耐震補強や防災訓練などには積極的に力を入れて来ましたが、今回のような津波が来たらいったいどうすれば良いのでしょうか?例えば高台のない扇状地に住む人たちに取って、いざとなった時にどうやって逃げるのでしょうか?津波(40km/h)より早い逃げ足で、老人が3kmも4kmも猛ダッシュすれば助かる。 それが唯一の答えなのだろうか。
「めちゃくちゃ頑丈な地下シェルタを各1軒に1つ作ればOK!」
「10m以上どあるめちゃくちゃ頑丈な防波堤を日本の海岸全てに張ればOK!」
そんな夢みたいなこと本気で実行出来るほど、個人も国も体力はないですよね。
おそらく、地盤もしっかりした高台に引っ越すなんていうのも1つの考え方かも知れません。
でも農家や漁業などの家だって、代々守って家業を生業としているならば、今後来るかも知れない津波にはしっかり覚悟を決めてその土地に住み続けるしかないでしょう。
3)東海地震について
もう少し悲観的でかつ現実的なことを付け加えると、今回の地震によって東海・南海・東南海連動型地震が
やって来るのも早まったかも知れません。
仮に東京湾に今回と同じ津波が来たらいったいどうなるのでしょうか?港区、千代田区、江東区・・・がぐちゃぐちゃになるのを想像すると、これはもはや覚悟では済まないことになるでしょう。。
(今書いているまさにその時に富士宮を震源地とする震度6強の地震が起きました。)
4)原発問題
さらに、今回の地震で世界に露呈した日本の最大の弱点=原発
そもそもあんな危なっかしいところになんで原発なんて作ったんだ! ちゃんと福島の現状の説明責任を果たせ!!
って隣国はうるさく言って来ていますが、僕が隣国の立場だったら声を出して言わないまでも、やはり近所迷惑だなと思ってしまう。
日本の国の電力事情はもう原子力発電に頼らないとどうにもならないところまで来ていて、果たして今後早急に、
それに代わる安全で、巨大な電力量を安定供給できるような魔法の手は有るのだろうか?
波力・潮力・地熱発電など他の発電手段を充分研究することなく、安易に原子力に頼った間違った国策の代償は計り知れないと思う。
5)経済問題
<M&Aシナリオ>
少なくとも福島の原発処理問題が解決されるまでは、企業の株価は下落の一途をたどる。解決が遅れれば遅れるほど、下落が続いて企業の株式時価総額がぐんぐん下がる。
ついちょっと前まで優良企業と呼ばれていた会社もどんどん、どんどん、中国に狙われて、M&A、解体への道に・・・
<企業倒産シナリオ>
例え、福島の原発処理問題が早期に解決されても、福島原発そのものは破壊されて動かないので、首都圏の慢性的な電力不足は解決しない。計画停電も長期的に行われ、企業としての生産能力もぐんぐんと落ちていく。企業の体力も底を尽きM&Aの話すら来ないまま倒産の道に・・・
6)最後に
終戦後20年足らずで東京オリンピックを開催した奇跡の国Japanですが、今回の状況をこれだけ悲観的に書くと、この言葉がカミカゼのように聞こえてしまいます。
甚大な津波被害をうけた東北の市町村を復興することがゴールなんかじゃなくって、今まで述べてきたもっと根本的な問題を解決して初めてゴールなのです。 こんな日本のままだと子供たちの代に引き継げない。
現状を例えるなら30年ローンが残った差押寸前で基礎が手抜き工事の家を、我が子に引き継ぐような思いです。
それでも、我々は、日本人として産まれた以上、ご先祖さまに恥ずかしくないよう一生懸命 歯を食いしばって頑張って!頑張って!頑張って!
もう その言葉しか残されていないのです。