特許を申請し、取得するための条件ですが、以下の4つが必要であることを前回、ご説明しました。
3. 産業上利用できる発明であること。2.新規性があること、3.進歩性があること、4.実現性があること 今回は、3.進歩性について解説したいと思います。
まず、前回の復習ですが、新規性とは、ざっくり説明すると、発明が従来にないものであるかどうかということです。出願する発明には新しさが要求されます。
そのため、これまでに出願された技術と全く同じものについては特許申請できないということになります。 これまでに出願された技術を少し変えれば、原則は新規性の要件は満たすことになります。
しかし、新規性の要件を満たした発明や技術のすべてに特許を付与してしまうと、従来の技術にほんの少し変更を加えただけのものも全て特許になってしまいます。
そうなってしまうと、世の中は特許だらけになってしまい、何をやるにしても特許権を侵害してしまい、ほとんどの会社が製品を販売できなくなるということにもなりかねません。
特許法は、産業の発達に寄与すること目的とした法律ですので、上記のような事態になってしまうのを防止するために、進歩性の要件が課されています。
進歩性ですが、簡単に説明すると、従来技術を組み合わせ、組み合わせに意外性がない場合に該当します。
また、進歩性の判断には、組み合わせる者同士の作用、機能の共通性や、技術分野の共通性や、解決したい課題の共通性などが考慮されます。
例えば、 「船外機を設けた船」と「空中プロペラを設けた船」が従来技術として知られている場合、「船外機と空中プロペラの両方を設けた船」を特許出願して、従来の「船外機を設けた船」や「空中プロペラを設けた船」よりも推進力があることを主張しても、「進歩性」がないと判断される可能性が高いです。
また、以下のような場合に進歩性がないと判断されます。・最適材料を選択したもの ・設計変更をしたもの ・発明の一部を置き換えたもの
例えば、 「椅子の移動をスムーズにする」キャスターの技術を「机の移動をスムーズにする」キャスターの技術に応用して特許出願して、従来の机よりもスムーズに移動できるようにしたことを主張しても、単に、発明の一部の置き換えたものであるとして、進歩性がないと判断される可能性が高いです。
一方で、従来技術を組み合わせたものであっても、従来のものに比べて異質な効果や、際立って優れた効果があり、開発者がこれらの効果を予測できない場合は、進歩性があると判断されます。
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