前のエッセイで、私は泣けないということを話した。
だけど、他のエッセイを読んで下さった方はお分かりと思うけど、私は結構泣いている。
クラスメイトにいじめられた時。
先生に怒られた時。
本当に、
「そんなことで泣くか?」
ってことで泣いてきたのも事実だ。
あれは、小五だったかな。
クラスの新聞を書くことになった。
最初の一枚は、先生が書いてくれた。
これを参考に、当番を決めて毎日書きましょうということになったのだが。
私が引いたくじは何と、一番。
先生の書いた「参考」があるとは言え、右も左もわからない状態で、何とか書いた。
そして、翌日だかのホームルームで、先生は、あの新聞は酷いよな、みたいなことを言った。
酷いと言ったって、何もわからない状態で書いたのだから、酷いに決まってるじゃないか。
私が泣いていると、近くの席の女の子が、泣いている私に気づいて、
「美伊、どうしたの?」
と、私にだけ聞こえるくらいの声で、声をかけてくれたが、私は黙って泣き続けた。
彼女とは、教室移動とか一緒にする、所謂「お友達」だったので、昨日はこういう理由で泣いたんだよ、っていうことを話したっけ。
それともう一つだけ、今回は書いておこう。
何の授業だったか、何で話し合っていたかも忘れてしまったけど、同じ先生が言った。
「美伊は卑怯だ」
意見を言わないから卑怯だと言ったんだと思う。だけど、私は自分がそんな風に言われるとは思わなかった。
意見を言わないから卑怯なら、クラスの半分は卑怯じゃないか。なのに、なんで私だけが?
そう思ったら、また涙が出てしまった。
先述のお友達がまたも、
「どうしたの?」
と、声をかけてくれたが、私は例によって、黙って泣き続けた。
そんな時、私のことが議題になった。私が自分の身の周りのことができないから、手伝ってあげたい、みたいな話になった。
「美伊、自分のこと話してるのに、なんで黙ってるんだ!」
先生は、もう一度言った。
すると、彼女とは別の男の子が。
「美伊さんなら、泣いてますけど」
と、助けてくれた。でも、先生は容赦なかった。
「嬉しくて泣いてるんじゃないか?」
先生、あなたは何もわかっていません。あなたが私を傷つけたから、私は泣いてるんです。
そんなこと、言えるわけもなく、私は泣き続けた。
この時も、休み時間に、お友達の彼女に、私がどうして泣いたのか話したっけ。
他に泣いたことは沢山あるけど、今まで書いてきたから、今回はこの二つの事件で〆ておきます。