今の学生は、ブルマーなど穿かない。ひざ丈のショートパンツを穿く。
そんなニュースを見て、私は一人叫んだ。
「いいなぁ!」
小学生の頃、夏場の服装のことで、私はひそかに悩んでいた。
私達に支給された夏用運動着は、紺色の一分丈のショートパンツだった。
これを、ショートパンツと見るか、ブルマーと見るかで、親と先生の見解が違っていた。
学校では、
「スカートを穿いてはいけない」
という、妙な決まり事ができた。そのショートパンツで体育以外の授業も受けろと。
しかし、家では、
「ブルマーだけで学校へ行くなんておかしいよ。スカート穿いていきなさい」
と言う。
私が、学校で穿いてはいけないと言われたといくら言っても、
「学校がそんなこと言うわけないじゃないの!」
の一点張り。
家と学校の板挟みは、今までも随分あったが、このショートパンツ問題は、私が自分で解決することにした。
先生が、
「通学の時はスカートでもいい」
というようなことを言ったのをいいことに、私は作戦に出た。
朝、学校へ行く時は、ショートパンツの上にスカートを穿いて行く。
そして、学校に着くと、誰も来ない裏庭のようなところで、こっそりスカートを脱いで、ショートパンツになる。
授業が終わって帰る時も、そこでこっそりスカートを穿いて、何事もなかったかのように帰る。
何故スカートの着脱をトイレでしなかったのか、今思えば不可思議だが、小学生の考えることと言ったら、こんなところだろう。
そして中学に上がると、運動着は完ぺきなブルマーになった。
これ、気を付けて穿かないと、下着がはみ出ちゃうんだよね。
そしてもう一つ。
ブルマーを穿いて、運動会だったかな? とにかく綱引きをした翌日。
意地悪な友人に言われた。
「美伊、生○中だったでしょ。ナ○キンしてるのわかったよ」
私が、
「なんでそういうこと言うの!」
と怒っても、彼女は平然として、
「だって見えたんだもん」
と言ってるだけ。いくら本当のことでも、言っていいことと悪いことがあると思うが、話下手な私はそれも言えず、黙った。
昔は生○用品も、分厚いのしかなかったんだよ。
嗚呼、あの頃からひざ丈のショートパンツだったらなぁ。