異性のことを言っているのではありません。
ここでは、唄の話をしたいと思います。

 

今までの私は「一番好きな唄は?」と聴かれたら、
とても一曲に決められないくらい、いろいろあったが、
「一番嫌いな唄は?」の問いには、答えは決まっていた。

 

スピッツ「空も飛べるはず」。
(スピッツファンの皆さんごめんなさい。最後まで読んでやって下さい)

 

なぜなら、この曲が流行っていた頃、私は人生最大のピンチに見舞われ、
この曲を聴くたびに、あの頃のことを思い出してしまうのだった。

過去の記事に何度も書いたので、詳細はここでは書かないが、
とにかく辛いことの連続で、最後に残された砦は「死」だった。
なのに「人は自ら命を絶ってはいけない」なんて言われて……。

 

八方ふさがり。

 

どこへも行くところがない。

 

だけど。
どこへも行くところがなくなった私はその時、立ち止まった。
くるりと周りを見ているうちに、小さい道が見つかり、今もその道を歩いている。
たまに大通りへ出たり、また小路へ入ったり。
そんな風にしながら生きてきた。

 

とまあ。
そんなことを、先日放送されたローカルなラジオ番組にメールした。
たまたま、スピッツの草野さんの番組が始まった、なんて話題になったからだった。
DJさんは、私のメールを読んでくれた。
そして、そこから、こんな話をしてくれた。

 

「囚」という字は、八方ふさがりという意味。
だけど、そういう時は、「空も飛べるはず」。
空に向かって行こうよ。
それに対して、またメールが届いたりして、感慨深い回になった。

 

そして。
このDJさんは自らCDも出していて、この番組では、自身の曲以外では、洋楽しかかからない。
なのに、かかったのだ。
「空も飛べるはず」が。

 

そのたびに耳を塞いでいた私も、その時ばかりは、一緒に口ずさんだ。
「いい曲だな」と改めて思った。
そして、その日、その瞬間から、私はこの曲を好きになった。
奇跡の瞬間だった。

よく言う「好きと嫌いは紙一重」って、こういうことにも当てはまるのかもね。