脳腫瘍が分かって、周りの「私」を見る目がガラッと変わりました。

母は、

「可哀想…」

と、泣きました。

周りの人も私の為に泣いて、会いに行くと言ってくれました。

でも、私は正直複雑でした。

「もう死ぬと思われているのかも…」

私の心は病気への恐怖心と、皆が「病人」扱いすることで「もう未来はない」と言われている気がするくらい、余裕なんてありませんでした。

自分の気持ちがぐちゃぐちゃすぎて、その気持ちは整理なんて不可能。
こんな苦しい思いで生きたくない…と思ったこともありました。

しかし、次の日も、次の日も朝は来る。

いくら寝ようとも、起きると現実は何も変わっていない。
子供達が涙ながらに「大丈夫?」と聞いてくれる。
でも、「病気の人が寝ているのを邪魔してはいけない」と、そそくさ出ていきました。

その時、自分は本当は元気なのに、心がぐちゃぐちゃ過ぎて病んでしまっていたと気づかされました。
数日前まで元気だった。
その時も脳腫瘍はあったはず。
でも、知らなかったから元気で、今はただ知っただけで「病人」になっていたと。

『自分は「生きたい」と思っているのに、「病人」として生きたいの?』

『自分の人生まだあるのに、こんな生き方でいいの?』

そんな思いが巡りました。
人は必ず死ぬもの。
どんなに健康な人でも、「死」というものは突然訪れる。
誰も自分の寿命はどれくらいかは分からない。
でも、分かることは、

「自分の大切な人生を、今日を、自分が納得する生き方が出来たかということ。」

私は自分が「病人」として過ごした時間を後悔しました。
人を心配させて、自分はもうだめだって思わせて、思ったことが現実になって明日終わるとしても、こんなの嫌だって。

人生が終わる時は、「病人」としてではなく、「今日を生き切った人」になりたいなって。

それから、私は心が変わり、「病人」にはならないように、心から「病人」という設定を外しました。

そして、5年くらい毎日なりたい自分に向かって、毎日行動しています。

私のことを知る人は、「病気があるとは思えない!」とびっくりされます。
でも、私も「病気があるとは思っていない。」のです。

頭の中にあるものだけど、見えないから忘れてる。
それくらいでいいと思います。

「病気」にフォーカスしても同じ一日。
「自分の心」にフォーカスしても同じ一日。

パワーが湧く一日を過ごしていきましょう。

ここまで読んでくださり、誠にありがとうございます。
読んでくださった方が、毎日笑顔で過ごされていることを願っています。