今日から新学期が始まりました。
とてもいいお天気で始まり、子供達も喜んで学校へ行きました。
息子の担任の先生は、
昨年度娘を受け持って下さった、

信頼している先生に決まりましたので、
息子は学校へ行く事を決めました。

学校としても、息子の不登校を止めるには、
この策しかなかったのかと思います。
この先生は、子供の様子をしっかり見てて下さりますし、
心に寄り添って下さる先生です。
娘もこの一年間、相談に乗って貰ったり、励まして貰ったり、
私までお手紙を頂きました。。

細かい心配りが、思いやりの心が最後まで素晴らしい方です。

しかし、息子に嫌がらせをした先生は、在籍していらっしゃいます。
今年も担任を持たれています。
子供達の周りからは、この先生になるのは嫌…と不安を漏らしている子供達もいます。
同じ時間学校で過ごすのに、不公平さがある様に感じます。

学校は、どうして子供に学校へ来て欲しいのでしょうか?
子供が学校へ行かない選択は、『悪』なのでしょうか?
学校へ行く子が、立派に成長するのでしょうか?

集団生活が全員必ず合うとは限らない。
その一つの方法のみで、全員が成長するとは確証はない。
行きたくない子を無理やり来させる必要はない。

と、私は思ってきましたし、息子の事で学校にも伝えてきました。
学校からの返答は、平行線で分かって貰える事は出来ませんでした。

しかし、その多様性が認められる社会になってきました。
現に、不登校児の為の公立中学校が開校しました。
学校長のスピーチが話題になっています。
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岐阜市に「不登校児専門公立中」開校。
除幕式で会場を涙させた京大准教授のスピーチ

4月7日、岐阜市に不登校児専門の草潤中学校が
開校されることが決まった。

自治体主導としては初の公立不登校特例校で、

説明会には40名定員のところ120家族、

実に380名が参加したという。

その方針は、

「すべての授業はオンラインも併用のため通学してもしなくてもOK」、

「担任教師は生徒側の選択制」、

「時間割は教師と生徒が相談しながら一緒に決める(義務教育としてはきわめて異例)」、

「職員室は生徒に開放する、生徒は食事をしてもただくつろいでもよい」、

「開校時の先生は異動でなく手上げ方式」

といった、実に革新的なものだ。

そして、同校が開校に先立って27日に行った開校除幕式・内覧会で、京都大学総合博物館准教授、塩瀬隆之氏が行ったスピーチが話題を呼んでいる。

塩瀬氏は「機械学習による熟練技能継承支援システムの研究」が専門で、「ATR 知能ロボティクス研究所」研究員も務めた工学博士である一方、NHK Eテレ「カガクノミカタ」番組制作委員、日本科学未来館「“おや?”っこひろば」総合監修者、文部科学省中央教育審議会委員(数理探究)を務めるなど、教育の分野にも貢献は多い。

ここでは同校ならびに塩瀬氏の許諾を得、塩瀬氏の挨拶全文を掲載する。
 

理想は『バーバパパのがっこう』にあり?


みなさまおはようございます。京都大学の塩瀬と申します。

このたびは、草潤中学校の開校、まことにおめでとうございます。

早川教育長よりこのような機会をいただき、

まことにありがとうございます。

私が最初に早川教育長から、

「塩瀬さん、理想の学校ってどんな学校だと思うか?」

と聞かれたとき、即答したのが、

「『バーバパパのがっこう』のような学校」でした。

この絵本の話を少し紹介させてください。

これはフランスの小学校のお話なんですけれども、

学級崩壊が起きそうなときに、親御さんや市長さんが

、「おまわりさんをつけてでもいいので、

学校にしばりつけて勉強をさせないといけない」

と言いだすところからスタートします。

それを見かねたバーバパパが、皆を森の学校へ連れ出します。

バーバパパには個性豊かな家族がいるので、

子どもたちの好きなことに合わせて、

いろんなことを教えることができます。

歌を歌うのが好きな子ども、自然観察が好きな子ども、

機械いじりが好きな子ども、

みんなそれぞれ夢中になるものが違います。

 

好きになったことを突き詰めると

、その先に分からないことがあっても、

さらに知りたいと思えるのです。

その瞬間こそが、まさに勉強したいと思う瞬間で、

このときに学校の先生が戻ってくると、

以前と同じ算数の授業をしたとしても、

子どもたちの食いつき方が違ってきます。

そのような瞬間こそが、子どもたちにとっての学びの場なのです。半信半疑だった市長も親御さんも、

変化した子どもたちの姿を信じて、

バーバパパの学校に子どもたちを預けたい、

と思うようになります。

こんな学校こそが、もしかすると理想の学校かも知れない。

それが、私が早川教育長にお話ししたことです。

ここで大切なことは、子どもたち自身が学びを選ぶということです。
 

重要なのは「学びの選択肢がたくさんある」こと


私が、世界中、それから日本中、

理想的な学校がどういうところなのかというのを調べる中で、

魅力的な学校に共通すると感じることがあります。

それは、

「学びの選択肢がたくさんある」ことです。

好きな場所で学ぶことができたり、

好きなことを学ぶことができたり、学ぶ内容を選べたり、

さらには学びの設計図である「時間割」を先生と一緒につくることができる学校こそが、

子どもたちにとって本当によい学校なのではないか、

と思うようになりました。

しかし、子どもたちがこれを選ぶというのはなかなかに難しく、

しかも、そういう環境はほとんどありません。

大人は、時間割も、教室も、担任の先生も、9教科も、

よかれと思って子どもたちに与えます。

子どもたちに必要だと思うから与えるのです。

でもこれを子どもたち自身が自分で選べるチャンスというのは、

どうすれば作ることができるのか。

みんな同じように同じペースで学ばないといけない、

これができることが、大人になるために必要だと大人は考えます。そのためには我慢をしないといけないし、耐えなければならない。

しかし、本当にそうでしょうか。

我慢して、耐えることだけが、子どもたちに必要なことで、

これを6・3・3の12年間、さらに4年間足して16年間耐え続けられた人だけが大人になれるのでしょうか。

私は、そうでない場所、を作ることが大事だと思います。

子どもたちが勘違いしている言葉の一つに、

「義務教育」という言葉があります。

子どもたちのほとんどは、

学校に行かなければいけない義務だと感じています。

どんなに苦しくても、どんなにしんどくても、

行かなければいけないのが義務教育だと勘違いをしています。

 

子どもたちにあるのは「義務」ではない、

学習「権」だ


大人はここで声を大きくして、

それが間違いであることを伝えないといけないと思います。

子どもたちが持っているのは「学習権」です。

学びたいと考えたときに、学んでいいという権利です。

義務を負っているのは大人で、

その子どもたちが学びたいと言ったときに、

学ぶ方法すべてを提供しなければなりません。

教室の中に、正方形のタイルのようにまっすぐ並ぶことのできた子だけが学んでいいという、そういう条件付きの学びではなく。

子どもたち、いつ、どこで、だれと、なにを学びたいのか、

そのすべてを選んでもいいはずで、

その環境を提供できることこそが、大人に課せられた使命だと思います。

そういう意味で、この草潤中学校を作られた皆さんは、

ものすごいハードルを乗り越えてこの場を作られたのだと思います。

この理想的な学びを実現するということは非常に難しいことで、

これまでのご準備をされてきた関係者のご尽力に敬意を表したいと思いますし、こういう場所を地元の皆さんと一緒に作られたということ自体が素晴らしいことだと思います。

先ほどの学びもそうですけれども、

自分で選んで自分で学んだことは決して忘れないのだと思います。

この学校自身も、子どもたちが学ぶ場所を地元の皆さんと一緒に作れるということ自体が、この街の中で忘れられない学校を作るという意味で、すごく大事なことだと思います。

いま学校現場は、たくさんのことを要求されています。

グローバル人材、スーパーサイエンス、

SDGsさらにプログラミング。

これを全部できたら、スーパーマンにしかならないですよね。

そんな大人は町の中に何人いるのでしょうか。

そんな大人が見当たらないにも関わらず、なぜかみな、

学校に、たくさんのことを要求してしまいます。

すべてを学校にやらせすぎな気がします。

学校がやるべきことは、

子どもたちの学びの機会を奪わないことです。

子どもたちが学びたいと思ったときに、

学べるような環境を用意することだけが唯一、

学校に課せられた使命です。

学びを嫌いにさせるのはもってのほか、

絶望しそうになったときに学びを諦めない、

そんな子どもたちに育つ場所が学校なのだと思います。

そういう意味で、この草潤中学校は、

子どもたちにとっての学びを守る、当たり前だけれども、

それでいてすごく難しいことに挑戦してくださっている、

すごい学校だと思います。

これが北欧やシンガポールのような教育先進国でもなく、

日本の真ん中にある岐阜市の自治体が作った公立の学校ということが、もっとも重要なことだと思っています。

公立でこれが実現できるということは、ここが特別な学校ではなく、本当に誰でもどの地域にでも、すべての子どもたちが受ける権利を守れる学校の在り方が示されたと思っています。

この学校がチャレンジすることに対しては、

まだ戸惑いもあるし、すぐ結果が出るかはわかりません。

しかし、ぜひ温かく見守っていただきまして、

ここで育った子どもたちが、

本当に学ぶことが大事であるということを自信をもって言えるような時間をぜひ待ってあげていただきたいと思います

。「待つ」ということが大事だと思うので、

ぜひ皆さんもご協力いただけたらと思います。

この草潤中学校の開校、本当におめでとうございます。

ありがとうございました。
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引用

 


『公立』『義務』を取り払った初めての学校。
ここまで来るまでに、どれほどの苦労があって、
反対があっただろうと思う。
しかし、この学校を求めていた子供達は沢山、本当に沢山いる。
その声にここまで達成する事が出来たのであろう。
今、小中学生で不登校の生徒は、18万人もいる。
一番の理由は、「無気力」とある記事で読んだ。

学校は、見事なまでにやる気をなくしてくれるのだ。
学ぶ事はこれ、こうあるべきだと強要する。
反発しようものなら、頭ごなしに「問題児」にされてしまう。
先生に従う人を作る事を、目的にしているのではないか、
と思う位だ。

どんな人もいるのが世の中。
お互いを認め合えない悲しい日本。
勉強が出来なければ、
不登校になれば、劣等生の烙印をおされる。
そして、誰も助けてくれない。
声にならない声が、かき消されていく。
烙印を押した事すら気付かない人が、学校の先生にも沢山いる。
自分の正当性を主張し、成績で脅しをかけるなんて、
あってはいけない事。

学びは自由なもの。
嬉しいもの。
楽しいもの。
将来の展開をわくわくさせてくれるもの。


人間は、考えを変えて行動すれば、
その地点から人生は変わる。
それは、いつでも、今からだって。
子供じゃなくても、大人だって可能性を秘めている。

そこに必要なのは、

自分を大事にすること。
自分を信じること。

 

学校は、どんな難しい勉強よりも、
これだけを教えてくれればいい。


ここまで読んで下さって、誠にありがとうございます。
読んで下さった方が、素敵な春の日を過ごされている事を願っております。


子供と一緒に読んだバーバパパ。
この本を読んで、学校の在り方を変えた人がいる。
それくらい読む本で、人生が変わる事が分かった。

 

 
 


本当の事を、ありのままの世界を伝え、
行動していく一人一人でありたい。