私は勝手に信じていたものが崩れただけ。
でも子供達にとっては大好きで、信じているお父さん。

「私は家族は何度でも、いつからでもやり直せると思って、
この十年以上何度も何度も思い止まってきた。
自分さえこの気持ちを抑えたら…そう思って、
自分を否定して、でも家族の為に嫌な事も流して支えてきた。
子供達が親を超えるくらい優しく育った事は、
本当に私の誇り。
それで今まで私が耐えてきた事も、報われたと思えた。」

「え、じゃあ俺がこれから変わればいいって事?
じゃあそうする。
今から家に帰るわ。」

海にでも沈んでしまいそうな電話の声だったのに、
急に元気になって電話を切られてしまった。

『いつでもやり直せる』
そう言った時、自分がやり直せると捉えられないかと心配したが、
そこだけを拾われてしまった。

主人はプラス思考というか、自分の思い通りの世界でしか生きてこなかったから仕方ないとも思った。

親の愛情も足りない人だと薄々気が付いていた。
主人の母親は、主人に年子の妹を任せて、
テレビとお菓子を置いておき、外出をよくしていたらしい。
深夜の殆ど街灯がない一駅先の塾にも自転車で通っていたと、
聞かされていた。

十年以上飼った犬がなくなったと大泣きしていたと思っていたら、
次の週には新しい犬を飼っていたり、
主人の祖父が倒れて、暫く家でおむつをして生活していた時も、
祖父が入院してすぐに、
「オムツで座られてたと思うと座りたくないから…」
と、ソファを変え、壁紙まで変えられていた。
「おじいちゃんが入院したばかりなのに、そんな事かんがえられるって…
おじいちゃんはもう戻ってこないって事…!?」
と、心が痛かった。

一番決定的に愛情がない人達なんだと思ったのは、
主人の妹がブラックすぎる仕事をしていて、
給与はパート社員としてバイトよりも安く支払われて、
更に夜道を片道一時間ほどかけて往復している。
運転も殆ど出来ない妹だったし、早朝から深夜まで働かされて帰宅する時に居眠り運転をし、車を全損させた事もあった。

何かがあったらすぐに駆け付けれる様にと、妹が帰るまでお酒を飲まないお義父さん。
何かあったらドライブレコーダーの記録から、
どれだけブラックかを叩きつけるといって、
叩きつけてられない数年を送っているお義母さん。
根本的なずれを感じた私は、義妹の命も案じ思わず言ってしまった。

「自分の子供なら全損事故を起こしたら、二度と出社させません。
だって命が一番大事でしょう?
全損したって言って、次の日早朝から出社させるなんて、
私だったら絶対に出来ません。
それにお金も貰えない。
全損したって会社の保険なんてかけて貰ってないから、
一円も貰えないし、殆ど休みもなく朝から晩まで働き続けて手取りがバイトの人より安いのはありえないと思います。
義妹が私の娘だったら、心配で心配で…即辞めさせます。」

と、言った後、空気が固まった。
私は場に合わない事を言ってしまったのだと分かった。
私が思っている愛情というのものは、この人達の中にはないと確信した。

主人のお父さんは社会的に地位もあり組織のナンバー2で、
お母さんは看護士。
学歴も素晴らしく、明るくて素敵な家族だと思っていたけど、
心の繋がりはない家族だとやっと分かった。

そんな家庭で育った主人は、
これでも精一杯やっているのだろう…
そう思ったが、私の心は主人といる事を全力で拒否していた。



ここまで読んでくれてありがとうございます。
心配して下さり、メッセージまで頂き、ありがとうございます。
寝込む時もありますが、生きております。
本当に一通一通温かい気持ちを頂け、泣きながら読んでいます。
今コロナで学校が休校になり子供達が家におり、
また引っ越しの準備中で中々ブログが更新出来ておりません。
返信はお礼の気持ちもこめてさせて下さい!
枯渇している心に、下さるメッセージがどれだけ励まされたか…
もう引っ越しまであと少し。
もうひと頑張りしますね!

読んで下さった方が、素敵な一日を過ごせる様願っております。