何度か母と電話しているうちに、
母は私が元気になっているのを実感した。
そして切り出した。

「〇君から年末年始とその後も何度か電話あったよ。
その時点で変だなって思っててんけど、
発言がおかしくて…
『春は、殆ど寝ていて、育児放棄してる』
『子供達もお母さんを怖がっている』
『いつも寝ていて何もしない』
『こんな事を言われて、こちらはどれだけ傷ついているか…』
って言ってたよ。
そんな事あるはずないし、
病気の妻を持っているのにそういう発言が出来る事にびっくりして…
普通やったら春の事を守る上で話しするのに、
自分を守るのに必死だったよ。」

この電話があるまで、
心の奥底の底では、
まだ主人をかばう自分がいたのは事実だった。
本当はまだ優しい人だった!私の勘違いだった!
と、言いたかった。
目が覚めたら、私の思い描いてた幸せな家族でありたかった。

そうだよね、責められるのは辛い。
お互い辛いのは、子供を苦しませているという事。
だからちゃんと何のフィルターにもかかっていない目で、
物事を判断しなければと、強く強く思った。

電話の後に、まだ残っている涙を流しながら主人の考え、
また、主人の発言から向こうの実家の皆さんの考え、
そして自分の現状を冷静に考えてみると、

私は脳腫瘍があって、発作もある。
命は限られていて、いつ倒れてその場で死んでいるかもしれない。
だから子供達は任せられない。

そう思っているのだろう、と思った。

どんなに私が明るく生きていても、
「脳腫瘍」を見ずに、忘れて生活していても、
主人や主人の親の中には私の「脳腫瘍」が見えていて、
それは病気がなくなるか、私がなくなるかでしか消える事はない。


子供達はこれから未来がある。
私には子供達はみれないと思っている。
子供達の「母」として「病人」として一番いい道はなんだろう…。

…私が義実家に子供達を託す事が、
皆にとって一番な「母」として「病人」としての決断なのかな…


ここまで読んでくれてありがとうございます。
読んで下さった方が、素敵な一日を過ごせる様願っております。