そして、11月。
また救急車で病院に運ばれた。

てんかん発作だったので、
脳腫瘍が再発したと持った。

全てが上手くいっていたのに、どうして…

自分自身でも自分が変わったのが分かる位だった。
仕事も順調で、色んな出会いもあって…
しかし、やはりいつも抱く違和感がだんだん大きくなっていっているのに気が付いた。

押し込めていたのに、
「自分」を知れば知るほど、核に辿り着いてしまった
と思った。

発作が起こり倒れてしまうと、
暫く調子が悪い。
てんかん発作は、フルマラソンを走り終えた後の様な、
疲労感がある、と先生は例えていた。
それでも、ご飯が出来るまで待っている主人。
調子が悪くてもご飯や掃除をしている横で、
こたつでお昼寝をしている主人。
ご飯を作って欲しいとお願いしても、

「10年間作ってないのに、そんな急に言われても作れる訳がない」

と言われてしまった。

すごくショックで、ストレスがかかってしまい、
暫くして、発作が出てしまった。
意識がなくなる寸前で発作が収まったが、
身体が暫く動かなかった。
3mくらい横で倒れたのに、気付いて貰えなかった。
暫くして二階から降りてきた娘が気づいてくれた。
そして、すぐ横にいた主人を呼んでくれた。

昼寝から起こされて不機嫌なのか、
大きなため息をついてやってきた…
そして、ただ私を支えてこたつに寝かしつけただけだった。

その横でお昼時だったので、
娘がおにぎりを食べてもいいか聞いていたら、

「お母さんこんな状態なのに、食べてる場合じゃないやろう…」

と、言った。

この人は何なんだろう…

発作が起こった後で、泣くと余計呼吸が出来なくなるので、
必死で呼吸を乱さない様に努めた。
涙だけがただただ溢れ出た。

てんかん発作で倒れた後は、発作が頻発が起こりやすくなる。
主人の発言や行動で、
発作も起こりやすくなってしまった。
外でも倒れては運ばれてしまうので、薬を飲んで抑えようとした。
しかし、薬でも抑えられない事もしばしばあった。

一日中ベッドで寝ていても、
一言もかけてはくれない。
それでも子供達をみてくれて、
家事をやってくれるのは有難かった。
主人は頑張ってくれている
そんな状態でもただただ感謝した。

でも私は、ただ話を聞いて欲しかった。
「今日の調子はどう?何か必要なものはない?」
ただ、そう聞いて欲しかった。

主人は私の知らない所で、
私の両親、義両親に電話をしていた。

母は主人の発言ですぐに気が付き、メールを何度も何度もくれた。
こっちまで来ると言ってくれたが、断り続けた。
どこかに行く事も、人に会う力もなくなっていた。
私はもう気力も体力もない状態で、電話をする元気もなかった。
まだ自分が不幸せだと親には知られたくなかった。

年末年始の頃になると、
私は殆どを寝て過ごしていた。
なので、主人に子供達を連れて実家へ帰って欲しいとお願いした。
すると、何故か向こうの両親がうちまで子供達を迎えにくるという事になっていた。

義両親が来るという事は、顔を合わさないといけないという事。
私の今の状態でそれは出来ない。

そう伝えたら、怒って何も言わずに出て行ってしまった。
私の事は怠慢だから寝ている、と思っている様だった。
薬の副作用もあるとは伝えているが、
私の事は何も分かって貰えていなかった。

今まで堪えていたものが、どんどん流れだした。
結婚してから初めて声を出して泣いた日だった。


ここまで読んでくれてありがとうございます。
読んで下さった方が、素敵な一日を過ごせる様願っております。