母の胸にあったしこり。

お盆休みを利用して、実家に帰省しておりました。
私の実家は、関西にあるとある村です。
子供達と帰省し、大自然の中、
私は散歩を楽しみ、息子はマラソンを楽しんでいました。

帰省中、母がいきなり話を切り出しました。

母「この前言ってた胸のしこりの事やねんけど。」

春「！？何のこと聞いてない。」

母「あれ、言ってなかったっけ？
お母さんな、ある日胸の所をふと触ったら、
小石の様なものが二つあってん。
固くて動かない感じ。
癌やと思ってん。
でも、いつか癌になるかな、と思っていたから、
『遂になったな』と思ってん。」

春「ええ、なんで癌になる前提で生きてるの？！
で、今はどうなん？」

母「春がいつも話してたやん。

『癌って呼ぶから怖いねん。
ぽんちゃん、ぽんちゃん言えばええって。』

だから、その通りやってみてん。
ほんまになんか愛着湧いてきてな。

それから、癌にええって思って、癌になった時の為に、
前から漬けてた枇杷の種と、
枇杷の葉温灸、
後は食事をしっかり改善してん。
無理はしないで、出来る限りやで。

後、お兄ちゃん（私の兄）家族の食事作りをやめたり、
嫌やなぁと思っていた事をちょっとずつ断れる様になってきて。」

春「おぉ！今までずっと断れなかった事に悩んでたもんね。
頑張ったね！」

母「それから毎日、般若心経を朝心から唱えてん。」

春「ご先祖様も大事やし、般若心経を唱える事で無心になれるから、自分と向き合えるからいいよね。」

母「なんか色々やってたら、しこりを確認するのも忘れてて、
しこりの事すら忘れてて…。」

春「…お母さんはしっかりしてるけど、やっぱり昔から天然さんやな。笑」

母「しこりに気が付いてから、3ヵ月程経ってから、
そういえばって思い出してん。
どれくらいの大きさか触って確かめようと思ったら、
どこにもないねん。なくなっててん。」

春「えぇ！！！凄いやん！！！」

母「ほんまにびっくりした！
しこりを発見した時友達にも触って貰ってんけど、
『これは絶対に癌やと思う。早く病院へ行って切り！』
って言われてん。
でも癌やったら癌で受け止めて生きようと思ってたから、
病院にもいかなかったわ。
ただただ『ぽんちゃん、ぽんちゃん』言い続けたわ。」

春「その心が素晴らしいね！
しこりのお陰で、お兄ちゃん家族のご飯作りも断る事が出来て、
また友人関係も整理出来て良かったね。
自分の心に反して行動しているよって、教えにきてくれたんやね。
きっとこれから、更にいい人生が来るから、楽しみやね！」

母「でもぽんちゃんいなくなったら、寂しいな。
ぽんちゃん呼ぶ相手おらんやん。」

春「さすがお母さん。
愛情たっぷりやから、ぽんちゃんも満たされたんやわ。」

あまりにあっけらかんと話すので、
最初こそはびっくりしたものの、
私の脳腫瘍で完治までの道筋が描けてた模様。

父はヘビースモーカーなので、副流煙を浴び続けてきた母。
だからか、いつも
「癌になったら…」
という、癌になった前提の話、行動をしてきた。
その為、私が脳腫瘍が分かった時に、
枇杷の種は出来ていたのだ。

母の胸のしこりは、結局癌かどうかはわからなかったが、
慌てず、恐れず、自分と向き合った事。
癌は治ると知っていたので、
落ち着いて行動出来たと思っています。

天然さんだけど、偉大な母。
これからも沢山一緒に思い出を作っていこう。

ここまで読んでくれてありがとう♡
読んで下さった方が素敵な一日を過ごせる様、願っております♡