思い返してみると、癌は私の人生に特別なものではなかった。
私の祖父も祖母も癌だった。
祖父は私が小学生の時、祖母は私が高校生に亡くなった。
祖父は、私が癌と知らないうちに亡くなったのですが、
祖母は癌になってからの姿を近くで見てきた。
癌になる前に痴呆症も患っていた。
私は何度も同じ事を言い、虚言ばかりを言う祖母を疎ましく思っていた。
他のおばあちゃんを見て、
「どうしてうちのおばあちゃんは鬼瓦の様な顔でいつも嫌な事を言うのだろう。
他のおばあちゃんは優しくて、可愛いのに。。。」
と、思っていた。
またお金に執着があった人なので、一日中、
お金を取られた!と騒ぎ立てては、警察に電話していた。
誰も止めれなかったし、止めようと思っても恐ろしい剣幕で包丁も持ち出すので、
癇癪が起こらない様になだめる様になった。
そんな祖母が末期癌になり、どんどんやせ細っていった。
入院しないといけない状態なのに、父の姉達が自分たちは面倒みないのにそれを許さず、
母が3時間おきに床ずれがおきない様に寝返りを打たせていた。
末期癌だったので、最後の一ヵ月はずっと
「痛い、痛い」
と、ずっとうなっていた。
薬も効かないほどだった。
しかし、痴呆症がその痛みを忘れさせ、立てるはずもない状態なのに、
立ってドアを開けた姿。
がりがりで元の祖母の面影がないほどになっていた。
さすがに衝撃を受けた。
気が強く、どこまでも歩いていく程元気だった祖母が、ここまで変わり果てた姿を見て、
癌とは恐ろしいものだと思った。
ここまで読んでくれてありがとう♡
脳腫瘍になって見た実話のDVDです。
自分に置き換えて見たので、涙が止まりませんでした。
脳腫瘍の情報はまだまだ少ないと思います。
体験談として、私の話も誰かの力になります様に願っています。