彼の死後、私の脳腫瘍が発覚した。

日本人の友達には、どうしても言えなかった。

私の病気の事で、気持ちを沈ませたくなかったから。

一瞬でも自分の事で、人を悲しくさせるのは、

私の心が拒否した。

知っているのは、両家の両親と家族のみ。


しかし、アメリカ人の親友二人には伝えた。

一人目は、以前に紹介した脳腫瘍で夫を亡くした親友。

夫と私が同じ病気になって、ショックを受けていた。

私は自分が彼と同じ病気になって、彼の気持ちが以前よりよくわかる様になった。

彼の気持ちはこうだったと思うよ

と、色々話すにつれて、彼女も落ち着きを取り戻した。

彼の気持ちを紐解きながら、自分の事を見直すいい機会だと思った。

自分の心の声をちゃんと聞かず、無視して毎日を過ごしてきた事に気が付いた。

病気とは必ず原因がある。

それとしっかり向き合っていこうと思った。


もう一人の親友は、打ち明けると涙が止まらなく、今すぐ日本へ行くと言い始めた。

私がこの親友に打ち明けたのには訳がある。

彼女は、婚約者に裏切られ、ストレスから寝ている時に呼吸困難になるほど肥満になっていた。

大学時代は細く、私の母が初めてみた時にモデルかと思ったほど美しかった親友。

今は命の危機にある事は、分かったが、中々改善しようと行動しない。

このままでは、いけない。

私がどうにか彼女を変えないと。

そんな時に私が病気になった。

日本に来たいという彼女に、

「しっかり痩せてから日本に会いにきて。

そしたら色んな所に行けるから!

色んな所へ行くには、沢山歩かないといけない。

その体重では無理だよ。

私の病気はすぐにどうこうならないから、待ってるよ!」

毎日泣いていた彼女が変わった瞬間だった。

食事に気を付け、体重の変化が写真で分かるほどだった。

運動もなるべく取り入れ、婚約者の裏切りも忘れ、目的を達成する為に必死になった。

すると、以前の様に色んな大好きな事が出来る様になった。

釣りにいったり、ボーリングにいったり、旅行にいったり。

それは、私の大好きな彼女の笑顔が輝き始めた時だった。

あぁ、私も自分を押し殺し、家事育児、仕事に没頭し、ベッドで寝る事も稀になっていたな。

身体が、こういう形で教えてくれたんだと、悟りました。

そして、私の癌がきっかけで、親友だけでなく私、そして私の家族までいい方向へ変えていくのでした。


ここまで読んでくれてありがとう♡


 

脳腫瘍になって見た実話のDVDです。
自分に置き換えて見たので、涙が止まりませんでした。
脳腫瘍の情報はまだまだ少ないと思います。
体験談として、私の話も誰かの力になります様に願っています。