なんという小説。
頁をめくる度に鏡の中の自分に「お前はどうだ?」と問われてるような気分になる。
性搾取という大きなテーマ、企業だけでなく日本で非常に敏感にそして繊細なテーマとして扱われているが、スポットが当たるのはずっとずっと浅瀬であり、沼地の奥には暗い冷たい底なし沼がある。
そして随所で描かれる大人たちの姿。
皆そうだ。
自分の現状に繋がる過去の経験がその人の線路であり、その線路から外れれば「脱線」しているんだろう。
16歳の目線から描かれる大人はすべて、へのへのもへじの顔だ。
子どもが見られる世界などたかが知れているのだから。
しかし、その子どもを食い物にしようとする大人からすれば「ダイヤ」あるいは「宝」なのだ。
純粋で素朴な心に入り込むことなど、他愛もないのだ。
そこに漬け込むのは知らない大人だけではなく、親戚あるいは親でさえそうなる可能性がある。
目の前に真っ白な紙があれば、新しいボールが届けば、新発売の誰も知らないデザートが出れば飛びついてしまうのだろう。
結局人間は自分が一番可愛いのだから。
偽善と傲慢の最たる果てが、大人だ。
自分はそうでないと信じたいが、きっともう遅いんだろう。
せめてこれを書き残しておこうと思った次第である。