秘書アシスタントの岡田知子です。

私が働いている会社に、こだわりの強い男性社員がいます。

彼は元某有名靴店の販売員だったので、靴にはもちろんこだわりが強い。
十数万の靴をアメリカで安く買っただとか、そんな話を聞いたことがあったのだけど、
その強いこだわりは、どうやら靴だけではないらしい。

最近その彼が、会社に新しいマグカップを持ってきました。
薄緑色のまろやかな色をしていて、随分かわいらしいなあと思っていたら、

今日、彼がそのマグカップに珈琲を入れているタイミングに遭遇したので
声をかけてみました。

「マグカップ買ったの?かわいい色だね。」

すると「よくぞ聞いてくれた」と言わんばかりのドヤ顔で

「これ、いくらに見えますか?」

と聞いてきた。


人が「いくらに見えるか?」と聞いてきた場合、2つのパターンが考えられます。

1、見た目より高い
2、見た目より安い


私の感覚ですが、
女性同士の会話で(特に服飾品)、この質問が来た場合は、
予想外に安い値段が答えだったりするんだけど
(例:「このワンピ、GUで1,000円だったの」「えー見えなーい!」)

マグカップの場合、例えば100円でも「ふーん。」で終わる。

ということは、「1、見た目より高い」になる。


でもマグカップだしな~
無地だしな~
小さめだしな~

で、出した答えは、私にとって破格の値段。

「まさか5,000円とか…?」

すると、さらにドヤ顔をして彼は言いました。

「8,000円です。」

マグカップが

8,000円。

「たっか!たっか!何で出来てるの?たっか!」と高いを連発する私に、
「バカですよね~」とドヤ顔で笑う彼。

聞いてみると「Fire king」とかいうアメリカのメーカーのものだそうで、
アンティークなんだとか。

そういや雑貨屋さんの一角に、こんなとろんとした色の食器が鍵かけたショーケースで売られてるの見たことあるわ…と思いつつ、

とりあえずこのマグカップの近くに、私のマグカップは絶対に置かないでおこうと心に誓ったのでした。
割ったら大変!



彼が最初にその存在を知ったのは、雑誌だそうで、
なんとなく気になってから、何度も色んな媒体で見るうちに欲しくなったんだとか。

たまたま会社の近くに専門店があることを知り興味本位で見に行ったら、
買えそうなのがマグカップだけだったと。

それでも8,000円。
高い。

 「でもちょうど会社で飲むマグカップ欲しかったし…」
と、購入したそうです。



人から見たら「どこにそんな価値が?」という代物でも、
そこに価値を見出す人はいる。


広告をマメに出すこと、
マニア受けするキャッチコピーをつけること、

あと逆に高めに設定してあることも、マニア心に火をつけるのかもしれない。

そんなことを思うのでした。

ちなみにマグカップはこちら。

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あなたはこれに8,000円出せますか?


秘書アシスタント 岡田知子