〔思い立ったら掃除物語 №1〕
 きのう(6月6日)に、関東甲信が梅雨に入りました。例年よりも少し早めです。関西をはじめ

ほかの地区は11日、北陸・東北は15日と予報されています。

 長いこと人生をやってきて、好きになれない季節は梅雨で、やりたくない仕事は掃除です。たしかに梅雨は長雨がつづき、じめじめとしてうっとうしい。ときには洪水や土砂崩れの災害

をひきおこします。でも、大地をうるおし草木を育てる恵みの雨となるのです。

 掃除の大切さに気づいたのは、92歳の父を見送ったあとでした。住んでいたマンションには、かなりの荷物があり、どのようにかたづけていいのか、見当もつきません。そこで専門

業者に頼みました。数人がやってきて、こちらが残してと頼んだものほかは、数時間で撤去

してしまいました。あとはすっきりとした空間のみです。

 帰ってきて自分の書斎を見ると、ごみの山です。本や書類が山積みになり掃除どころでは

ありません。入り口から奥の机まで、やっと通れる道がついているだけです。これはどうにか

しないといけないと、一大決心をしました。「古来稀なり」といわれる70歳に入ったときでした。このままごみなかで生きて死にたくないとの強く思ったのです。


 ことしは父の13回忌です。書斎はきれいになりました。でもそのテラスには、銀色の防水シ

ートをかぶせたひと山があります。シートを取ってみると、プラスチックの衣装箱(横50㎝奥行き35㎝深さ20㎝)が15個、ダンボールが10個ほど積んでありました。そのときに捨てられな

かったものです。また二つの倉庫には本や雑誌、それにガラクタがいっぱい押し込めてあり

ます。

 



 今回から〔思い立ったら掃除物語〕を書きはじめようと思います。

すべて見てまずひとつから手を着ける
 このやり方のほかに道なし

書斎のゴミをどうしてなくし掃除したのか。衣装箱をどう片づけるか。倉庫の始末は…。

これから、書いていきたいと思います。よかったらおつきあいください。


あなたが幸せでありますように 
琵琶湖を望む草庵にて
〔2022/06/07 旧暦・皐月(さつき):早苗(さなえ)を植える月の九日。
二十四節気・芒種(ぼうしゅ):穂の出る穀物の種を植えつける。
七十二候・蟷螂生(かまきりしょうず):カマキリが姿をあらわす〕