この続きです。

告知するべきか、しないべきか

告知するべきか、しないべきか2

母の主治医はいつもにこやかで
優しい雰囲気を醸し出している
喋りかたもゆっくり丁寧。

肝臓全体にガンが出来ていて、一番大きいところで四センチ。
胃の真下。
手術は今の状態では不可能。
抗がん剤をやってもよいが体力はかなり奪う。
では、もし治療をしない場合
再発からここまでのスピードを考えると、11月頃には肝不全でからだが黄色くなってきて入院。その時は覚悟をしてください。

という内容だった。


再発の説明を受けているとき
母はわたしのとなりにいたが
耳が遠いので会話は聞き取れなかった。

でも、普段と違う医師の様子と長い会話
不覚にも一筋流した私の涙を見逃さなかった。

先生の話はなんだったの?

と、しつこく聞く母に、

肝臓が弱っているんだって。

とだけ話した。



母は、昔から思い込みの激しいところがある。
父と相談した結果、母には真実は知らせないことにした。

幸い、認知症の症状が出始めている母は、医者と私の様子がおかしかったことをすぐに忘れてしまった。

父のメンタルのケアのほうが大変だわ。