この詩が、なぜ私の手元にあったのかわからないのですが、、。


☆☆☆



わたしは体をもっているが、体はわたしではない。 
わたしは自分の体を見、感じることができるが 
見たり感じたりされうるものは真の見る者ではない。 

わたしの体は疲れたり興奮したり、 
病気になったり健康であったり 
重かったり軽かったりするが、 
それはわたしの内なる<わたし>とは何の関わりもない。 
わたしは体をもっているが、体はわたしではない。 

わたしはいろいろな欲望をもっているが、 
それらの欲望はわたしではない。 
わたしは自分の欲望を知ることができるが、 
知られうるものは真の知る者ではない。 
欲望は去来し、 
わたしの意識を漂いよぎっていくが、 
それらはわたしの内なる<わたし>に影響をおよぼしはしない。 
わたしはいろいろな欲望をもっているが、 
それらの欲望はわたしではない。 

わたしはいろいろな感情をもっているが、 
それらの感情はわたしではない。 
わたしは自分の感情を感じとることができるが、 
感じられるうるものは真の感じる者ではない。 
感情はわたしをとおりすぎてゆくが、 
それらはわたしの内なる<わたし>に影響をおよぼしはしない。 
わたしははいろいろな感情をもっているが、 
それらの感情はわたしではない。 

わたしはいろいろな思いをもっているが、 
それらの思いはわたしではない。 
わたしは自分の思いを知り、 
それらにしたがうことができるが、 
知られるうるものは真の知る者ではない。 
思いはわたしを去来するが、 
それらはわたしの内なる<わたし>に影響をおよぼしはしない。 
わたしははいろいろな思いをもっているが、 
それらの思いはわたしではない。 

(星川淳訳 アメリカ現代思想2より)