むかしね
バンドをやってました。


子どもの頃
大人気だったBayCityRollersに夢中になって
それからKISS、Queen、VanHalen、Rainbow、DeepPurple、
ちょっと経ってJudasPriestやIronMaidenのメタルバンド、パンクやプログレ、
いろいろなジャンルのバンドを聴きました。


時代をどんどん遡ってロックのルーツ、源流みたいなとこまで行くかと思ったけど、リアルで体感した衝撃やノリはやっぱりカラダに染み込んでいて
基本はシンプルなR&R、ハードロックが大好きでした。





当時は洋楽のTV番組が週に2回くらいあって(今じゃ考えられない…!)
しかも夕食時ゴールデンタイムの夜7時とか8時とかにやってて
自分専用のテレビなんてないから
『絶対これ観るんだからね!』
わたしと妹で有無を言わせずチャンネルを独占し、母親やおばあちゃんにそりゃあ嫌がられたもんです。
今考えるとよく付き合って見てくれてたなぁ…
ありがとね♡♡


自分に自信がなくて恥ずかしがりやの少女は
外国人の華麗なルックスと(ランディ・ローズなんてそりゃあ美しかったわ…🌹)
自分を取り巻いている壁のようなものを、打ち砕くようなハードロックのパワー、スピード、衝撃。
そんなエネルギーに夢中になりました。


『絶対外国人ロッカーと結婚するわ!』
と野望を胸に抱き…爆笑
それはちょっとハナシの方向が違うと思うケドね


そしていつの日か
自分もバンドをやりたい!
歌いたい!
ステージの真ん中に立ちたい!
と強く思うようになりました。


バンドデビューは18歳。
遅いほうだと思います。
初めて組んだのはレディースバンド。
へたっぴでした。

あの頃は音楽雑誌でメンバー募集をしてて
メンバー募集専門の雑誌なんかもあったよ。
スタジオの入り口とかにもメンバー募集のチラシ貼ってあったね。
今みたいに携帯、SNSなんてないから、雑誌に個人宅の住所や電話番号が堂々と記載されてたんですよね。
知らない人から電話来るの。
あぶなーい!
でもそれがあたりまえの時代だったのよ。


本当は仲のよい友達でバンドを組むのが理想だったけど、なにせロック好きな友人が周囲にいない…


雑誌を見てフィーリングが合いそうな人と連絡を取って、顔合わせして、音合わせして…
そんな段取りでした。

とはいえ、
経験者と初心者では明らかに見た目も立ち居振る舞いも全く違う。
すぐにわかっちゃうのね。

『人柄重視』なんてうたい文句はだいたい初心者です。
ビジュアル重視のバンドは『ハゲ不可・デブ不可』なんてことを堂々と書いてましたから、なんともおおらかな時代(不適切というのかしら)でした。






さて、初めて組んだレディースバンド。
テクニックがないから簡単なコピーから始めました。
ユルいカンジでね。

こういうのじゃなくて、もっとカッコイイのやりたいんだけどなー

自分のことは棚にあげ、そんなことを考えてましたが、ほかに行くバンドの当てもないし
メンバーさんいい人達だし。

練習スタジオのドラムの音、
ギターやベースをアンプに繋いだ時の音、
そしてヴォーカルマイクをセッティングする自分。
その空気感
バンドやってるという嬉しさが何よりわたしを支えてくれました。


しばらくしてギターの女の子が

『バンドよりお友達と遊びに行ったり、デートしたりした〜い♡』

なんてことを言い始めました。

チッ、軟弱だなっ…‼︎

と心で思いつつ、ギター抜きで続けましたが
テンションはさがる一方で…
結局バンドは消滅。
メンバー探しの迷宮に入るのでした。


バンドやってるのは男子が圧倒的に多い。
ギター、ベース、ドラムが男子で女の子がヴォーカルってバンドもあったけど
男の人たちに囲まれてバンドをやる自信なんてまったくなかった。
 

反骨精神は内に秘めていたものの、やっぱり男性が怖かったのね。

男の人に自分の意見を言えない。
のびのびできない。
自分らしくいられない。
そんなのバンドじゃない‼︎

そんな自分をわかっていたから
一緒にやるなら絶対女の子!
そう決めてました。


いくつかのバンドを経験し
バックが男性のバンドにも加入しましたが、やっぱりアイドルみたいなポジションになりました。
言われたことを素直にやる、自分の意見やアイデアは言わない、言えない…。
まわりからしたらいい子ちゃん。
Rockでいいコって何だよ…!

演奏テクニックは格段にアップしましたけど、あんまり楽しくなかったなぁ。
全然自分を表現できなかった。
全然わたしの理想とするRockじゃなかった。


ただ、ステージに立つという経験はやっぱり特別な感覚がありました。



出来上がってるバンドでただ歌ってるアイドル的ないい子ちゃんになるよりも
自分でイチから始めようと思い、ひとりひとりメンバーを集めることにしました。
地道な作業だったけど、フィーリング合いそうな女子が集まって、念願のレディースバンド結成!
嬉しかったなぁ。
そして楽しかった!


ベースは上手な女の子わりといるけど
ギターは難しい。
ドラム女子も当時はそんなに多くなかった。


自分が理想とする
カッコイイキラキラキラキラ
バンドではなかったけど、等身大でノリがよくてロックしてて、みんなでひとつの音を作りあげる、放つ、
そしてそこに存在していることが嬉しかった。

そうなの。
わたしが求めていたのは解放
そして一体感だったのね。



オリジナル曲も作り、ライブに向けてセットリスト作ったり、構成考えたり…
そしてライヴの気持ちよさ…
グルーヴ、パワー、一体感。
あの体感は本当に素晴らしいです。
ライヴの見せかた、構成はKISSから大いに影響を受けたなぁ…
鳥肌が立つあのカッコよさ‼︎
ライヴというよりSHOWなのよね。
エンターテイメント。



ライヴで対バンしたバンドマンの知り合いなんかも増えてきて本当に楽しかった。
少し自信がついた少女は居心地の良い安定の場を後にし、次のステージを目指すのでした。


住む場所を変えてゆき、いろんな人と出会い、たくさんの出来事がありました。
人生の闇みたいなものも経験したね。
そのお話はまた別の機会に…ピンク薔薇



今はバンドとしての表現はしていないけど
わたしの中にはロックスピリットがずっとあって
エレキギターやドラムの音を聴くとやっぱり血が騒ぐのです。
音楽って理屈じゃないものね。
いまだに車内のBGMはロックが多いです。


わたしの中にある、この激しさ。
歳を重ねてもこれはずっと大切に、そして表現していきたいなぁ。



LOVE❤️R&R




永遠のカリスマ

Randy Rhoads  ランディ・ローズ

カッコいい!そして美しい!