ダウン症  特徴














何回も検索しては娘を見つめる。














目尻がつり上がっている→少しつり上がってる?旦那と似ている。


目と目の感覚があいている→あいてない


耳が変形している→耳の上の所のこと?少し折れてる?

耳が小さい→小さくない

耳が低い位置にある→低くない

鼻が低い→低め?かな?

ますかけ線がある→両手にあり

哺乳力が弱い→弱い

身体が低緊張→全体的に柔らかい感じがする








産婦人科の先生がダウン症の疑いがあると言われた根拠はこのますかけ線のことだけだったけど、こうやって見てみると当てはまることがいくつかある。




ダウン症の疑いがあります。




そう言われたけど、信じたくない自分がいる。
だけど、
やっぱりダウン症なんだよね…
と  特徴を見てそう感じる。



旦那はショックを受けていたが、最初からずっと娘のことが可愛くて仕方ないみたいだ。

そして、
ダウン症の確定診断を受けるまでは、娘がダウン症ではないことを信じてると言っていた。



私もダウン症ではないことを信じたい。


信じたいけど、
出産してからずっと見れば見るほど、娘がダウン症なのでは?という思いが強くなっていく。





 
授乳室で授乳が終わった時、助産師さんからの退院指導があった。





長男と次男の時は笑顔で、これから始まる赤ちゃんとの新生活に向けてのお話だったが、今回は違う。








…うちの病院ね…
今までダウン症の赤ちゃんが20人くらい産まれてるんだけど…

最初のお母さんは初産の20歳のお母さんだった。

だけどね、そのお母さん、そのあと3人子供産んで。ダウン症の子にも下の子の面倒見させなきゃ!って言って。

そのダウン症の子も今では1人で仕事に行ってるんだよ。








…意外だった。

病院はできて20年くらいだから、1年に1回くらいの割合でダウン症の子が産まれてきてること。


20歳という若い年齢でも産まれるということ。

そのお母さんはダウン症の子がいるのに、そのあと3人も産んでいるということ。







ダウン症の疑いがある

こう言われて、私の人生終わったって思ったけど、そんな頑張ってるお母さんがいるんだ…




…だけど………







……あの…

先生がダウン症の疑いがあるっておっしゃったら…
どのくらいの割合でダウン症なんですか?









疑いが 疑いのままで終わればいいのに。











……うん…
そうだね…今までのね、経験から言ってね…
まず間違いないと思う…







…やっぱりそうか。


長年お産に立ち会ってる先生と助産師さんがそう思っておられるならやっぱり間違いないのかな…






泣き叫びたかったけど、出来なかった。







ダウン症かどうかを判断する染色体検査は総合病院でないと出来ないため、紹介状を書くこと、娘の哺乳力が弱く授乳が困難なので基本搾乳した母乳を哺乳瓶で飲ませること。それでもダメならスポイトを使うこと。




娘の話はこれくらいだった。

その後、私の今後の生活に関してのお話があった。






助産師さんがとても心配して下さってるのがわかる。


この助産師さんだけではない。

みんな、私と娘に対しては、腫れ物に触るような対応だった。







悲しい気持ちはあります。
だけど、それよりもこれからどうしていくかということを考えてます。


娘のために何がしてやれるか
どうしたら1番いいのかを考えて、調べています。





…我ながら  障害者を産んだいいお母さん  のような言葉を言い放ったな…

そう思ったけど、実際に思っていることでもあったし、携帯で色々調べていたりもした。



これからどうしていくか…







私の言葉に、助産師さんが涙。私も涙。

2人で泣いた。


静かにポロポロ ポロポロ…

流れてくる涙を拭っていると、助産師さんにティッシュを渡された。





…本当にね、
大変だとは思う。だけどね、伊織さんなら育てられると思うよ。


ダウン症の子はね、今までもちゃんと育てられる親さんの所に産まれてきてるんだよ。


この前はね、お父さんもお母さんも介護職の方の所に産まれてきてね…

大丈夫。伊織さんなら大丈夫だよ。









…本当に育てられるのだろうか?





だって私………


娘のこと、可愛いって思えないのに…………






育てよう、育てなければいけない。

そう思う気持ちに反して、

やっぱり娘を可愛いとは思えなかった。



そして、この気持ちは誰にも言えなかった。