伊織さーん
授乳の時間ですよーー
私が入院していた産科は母子同室ではない。
赤ちゃんはみんな1つの部屋にいる。
授乳の時間になると、助産師さんから授乳室に行くように…と呼び出しがある。
自分の部屋に連れて行きたいとお願いすれば、部屋に連れて行くことも出来るが、私はそれを望まなかった。
授乳室に入って手を洗う。
泣いたり動いたりしている赤ちゃんの中で、娘は微動だにせず眠り続けている。
目を開けている時だって、ボーッとしているだけで全く泣かない。
赤ちゃんが大泣きして困っているお母さん達がうらやましかった。
伊織さん、これ。お願いします。
手渡された哺乳瓶の中に母乳を搾り始める。
長男の時は産後8週で職場復帰し、ずっと搾乳していた。11年経っても搾乳のコツは覚えている。
元々母乳の出がいいので、哺乳瓶はすぐに母乳でいっぱいになる。
哺乳瓶の乳首をつけて、娘に飲ませる。
哺乳力が弱いから
そう言われ、
最初は直母で頑張っていた娘だが、全く吸えていないことがわかり、搾乳した母乳を哺乳瓶で飲ませることになった。
他のお母さんと赤ちゃんがいる授乳室の中で、搾乳をしているのは私だけ。
悲しかった。
悔しかった。
なんで……
なんで……………
娘を可愛く思えない。
お腹にいて、産まれた時は可愛かったのに。
ダウン症と聞いた途端。
可愛いと思えなくなった。
可愛いと思えない自分に対して、酷いやつだとも思えない。
娘のことをお荷物にしか考えられなかった。
母乳すらまともに飲めないなんて…
産まれた瞬間からやっぱり差があるんだね…
哺乳瓶に搾った母乳を飲ませるのにもすごく手間取った。
なかなか飲まずにスポイトで口に入れたりもした。個人病院なので、医療設備は整っておらず、母乳を飲ませるのにもスポイトが限界。
あまりに時間がかかる時は、助産師さんが病室に帰っていいと言ってくれて、そういう時はそそくさと授乳室を去った。
なるべく娘のそばにいたくなかった。
最低と言われようが、母親失格と言われようが、構わなかった。
21トリソミーと診断されるまで…
の続きを久々に書きました。
内容が重く、なかなか書けません。
でも書きたいので書きます。
私の感じたことを正直に書いてます。
不快に思われた方、すみません。
あまりに久々なので…
これの続きです。