視力0.01
数値だけみると、ほぼほぼゼロに近いので「見えていない?」と思うような視力ですよね。


もし私が逆の立場で弱視以上の視力があったなら、そんな風に思うのかな?と考えます。


どのようにモノが見えているのか?モノを認識しているのか??

私にとっての『見える』と、弱視ではない方の『見える』とは少し違いがあります。


私の『見える』は、目で見た情報だけで判断している訳ではありません。
視覚、聴覚や触覚、記憶(いままでの経験)など...さまざまな感覚器から得た情報を集めて「たぶん...これかな?!」と判断。
それを『見える』と表現しています。



いつも自然にやっていることで言語化は難しいですが、
『わたしがモノをみて認識する』一連の流れを、整理して書き出してみようと思います。



前提


視覚障がいは生まれつき

わたしの視覚障がいは先天性疾患のアルビノからです。視力は良好なころで0.05程度ありました。

2018年に緑内障と診断されて、その頃の視力は[左0.03、右0.02]
それ以降、緑内障による視野欠損がすすみ視力もやや下がり、2023年夏頃からは[左0.01、右0.01]です。



緑内障が発症する前からアルビノによる弱視
長年の弱視生活のなかで培った方法のようなものがあり、そのため低い視力でも、モノを見ること認識することが出来たのかな?と思います。



見えないモノを見るチカラ


視覚から入ってくる情報が少ないので、その部分を補うために視覚以外の感覚が鋭い傾向にあります。


なので、見る!といっても視覚情報だけで見えているワケではなく、視覚では足りない部分をほかの感覚で補いながら、想像しながら見ることを可能にしています。


視覚以外の聴覚、触覚、記憶など...をうまく組み合わせて低い視力を補います。



見えないモノを見るために必要な情報源


*聴覚情報
音を聞き分けることで見えにくい部分を補っている


この聴覚で補っていることは、いろいろな場面で気づかされます。

なかでも最近、

音楽を聴きながら(両耳を塞いだ状態で)、いつものようにコップにピッチャーから水を注ごうとした時、入れすぎてしまい水が溢れたことがありました。


これを機に『コップに水を注ぐ』をどうやっているのか?

今までを振り返ってみたところ....

コップに水を注ぐとき
水が注がれる音を聴いて「6分目〜7分目あたりかな?」と聞き分けて、見えにくい部分を補っていることに気づきました。
(そのほか、注いだ時のコップの重さなど...感覚も鋭くはあります。)



記憶、想像力
一回経験したり、調べた情報はおおよそ記憶に留めてあります。

一度、見たモノや行った場所はおおよそ記憶に残ります。

なので初見以外は、

実際にはうっすらしか見えていないモノや景色でも、記憶の中にある情報(今までの経験、下調べした情報)を重ねることで実際の視力では見えないモノや景色でも、少しは見えるように感じます。


例えば...
□はじめて行く場所
ショッピングモール、飲食店、Cafeなどは、、、まずは出来るだけWebリサーチをしてから出掛けます。

googleマップから、オーナーやユーザーが提供してくれている店内写真、公式サイトからは店内の構造がわかる図をみたり...。

それらの情報をパズルのように組み合わせて、おおよその店内構造を想像して、
見えにくい視覚を補いながら歩きます。



□1回以上いったことのあるスーパーに買い物に行くとしたら...
一回以上いったことがあるので過去の来店時に得た情報をもとに、あとWebなどから得た情報も当てはめて

スーパー内の全体像を頭に思い浮かべながら...

『ここには野菜、この辺りに大豆製品...』
もっと詳細に覚えているときは『このお肉コーナー、左から牛→豚→鶏とつづき、その隣に卵があったな!?』とか...。

そのような感じです。



過去の経験や記憶、Webで調べた情報を思い浮かべて....  


リアルでは、目の前の景色はぼんやりとしか見えていないのですが、


その頭の中にある情報を、リアルで見たほんやり景色に投影する(イメージして重ねる感じかな?!)と、不思議と見えるような気がします



そのような流れで、
ぼんやりとしか見えていない景色、ぼやけてしか見えていないモノに→→→記憶の中にあるたくさんの情報から、条件に一致しそうなものを重ねてみて


「これかな!?」とおおよその当たりをつけていく。


その際に、耳から聞こえる情報や触ったときの感覚など...ほかの感覚器感のチカラも足すこともあります。




一か八かのところはありますが💦
当たりをつけモノを認識=わたしにとっての『モノが見える』という状態です。



これには意外と集中力が必要なようで、


体調が優れないとき、私にとって負担のおおきい環境(ひどく眩しい場所、屋外など)では、五感や記憶などを上手く取り入れることができない。

いつものようには当たりをつけられない、見えない事もあり、そこが欠点ではありますが(~O~;)


様々な情報を活用することで、

視力0.01の私でもモノが見えるワケです。。。