新学年から社会の教科書が改変され、これまで6年生の1学期で学んでいた韓国の歴史の内容が5年生に下がるらしい。

また、歴史のスタートは4年生からだったのが3年生に下がるとのこと。

新・5年生は1学期・2学期共に1年かけて歴史を学び、新・6年生は1年かけて、地理、政経を学ぶことになるようです。

そうなると、現在の5年生=新・6年生は、学校で「歴史を学ばない」という自体が生じるということで、それを補うために、うちの次女の学校の場合、冬休みの宿題に「韓国の歴史をまとめた穴埋め問題プリント」が出されたのですが、ヘタをするとこれで「歴史の勉強終わり」です。

う~~ん。なかなかすごいことやってくれますよねえ、この国って。

ただでさえ社会が苦手な子どもも多い中、重要な「歴史」の内容を十分に授業で習わずに小学校を終えてしまうという自体があり得るとは…。冬休みの宿題として、その「穴埋めプリント」問題を解くことと同時に、「歴史関係の本を読むこと」というのが宿題になっているのですが、しかし、冬休みの自主学習だけであれだけ覚えることが多い歴史をマスターできると、まさか本気で思っているわけでは…。

と、常識的には思うのですが、実際、過去の6年生の教科書を参考書代わりに配布してくれるわけでも何でもないなか、「冬休みに中に歴史の本を読んでプリントを解きなさい」というのは、「勉強とは家庭でやるもの」という韓国の教育に関する基本思想が、まさによく表れてはいます。

日本でも「家庭学習が大事」という認識は基本的にあると思うのですが、この国は、私たちからすると、「勉強とは家庭でするもの」、もっというと「家庭でお母さんが教えるもの」という基本的発想があり、それが前提となって学校教育が成り立っているという気がします。

宿題も、お母さんの協力なしにはとてもできない内容が多いですし、「子どもの成績が悪い=お母さんが家で何もしていない」という評価になり、学校からも社会からも「母親」が非難の対象になる傾向が強いです。

それが、韓国人ママさんたちの異様な「不安の高さ」につながっていう側面は否定できないですね。

客観的にみると、母親の手助けなしに自力で非常に高い能力を示す子というのは存在します。…が、学校での授業もPCのモニターを眺めるだけで、ノートに筆記することなどがほとんどない韓国の授業スタイルでは、予習・復習をよほど徹底するか、語彙力が相当高いか、記憶力が相当いい子どもでない限り、実際、親が学習サポートをしなければ、「落ちこぼれ」になる可能がかなり高いことは実感します。

俗に、韓国人ママさんたちがいう言葉に、「小学校までの成績は母親の実力で、中学校からは本人の実力」というのがあります。

そう。小学校時代は、母親がいかに子どもの勉強に関心を持って、宿題をサポートし、日々の勉強スケジュールを管理し、試験勉強の調整をし、学校によく顔を出して先生とのコミュニケーションをはかり、奉仕活動もどれだけ積極的に参加するか、などで子どもの「成績」が決まるんですね。

というか、そういう「認識」です。

ある人から聞いた話だと、教室の掃除など(韓国では、お母さんたちが教室の掃除も奉仕でします)で学校に行った際に、先生の机の上にある参考書や問題集がどこの出版社のであるかを見て、中間試験や期末試験の出題傾向をチェックするお母さんもいるということで、それが「母親の精誠」として半ば本気で美談として語られたりもします。

※この「精誠(정성/ジョンソン)」という言葉は、韓国人がとても好きな言葉です。

どうもこの「精誠」についていけなくてですね~~~…。


でも、そんな私たちでも、時々、韓国人ママからほめられることもあります。(^o^)

たとえば、私などは、小学校の試験のレベルの高さに接して、「これは、私たちが中学時代に取り組んだ勉強法が必要だなあ」と思い、4年生ぐらいから、試験範囲のノート整理、要点をまとめるということをさせてみました。長女の場合はこれがヒットして、自分で教科書のポイントや自分が覚えていない内容をまとめて、教科書に貼り付けるなど、自分なりに学んだ内容を整理することで、理解力がかなり高くなりました。(次女は、これと同じようなわけにいかず、私が代わりにノート整理をしてあげるところからだったんですが…。これはまた別の機会に紹介します)

問題集の数をひたすらこなすことで実力をつけることが多い韓国では、こういった「日本的」勉強法は珍しがれ、「日本人のお母さんの精誠はすごい」などと言われたりしますよね。

…かといって、こういった学習法が周囲に伝播するわけでもなく、韓国人は韓国人でひたすら信じた道を貫くのですが…。

同じ「たいへんなこと」をするのなら、好きなBIG BANGのメモ用紙に要点整理しながら、楽しくやるほうがいいじゃないね~~なんて考えるのは、日本人だけですね。はっはっは。音譜 (まき)


★長女の試験勉強の様子(6年生1学期「社会」教科書)


$ソウルの教育ママ


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時代別のインデックスを付けている。

ソウルの教育ママ

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