こんばんは(*^ー^)ノ


少し前に、エンドファイトに関するTV番組を見ましたので、今回はそのことに触れてみたいと思います。


エンドファイト(endo(内側)+phyte(植物))とは、植物の体内に入り込む内生共生微生物のことです。


NHKのクローズアップ現代で紹介されていましたのでご覧になった方も多いと思います。


エンドファイトは、植物の成長を早めたり、病気や虫から植物を守る効果があることがわかってきており、肥料や農薬に代わるものとして期待されています。


国を挙げてエンドファイトの普及に取り組んでいるニュージーランドでは、草の8割にエンドファイトを使うことで害虫の被害を大幅に軽減し、牛乳の生産量が3割増加するなど大きな効果をあげているそうです。


また、「奇跡のりんご」で有名な木村秋則さんもVTR出演されていました。


木村さんをご存知ですか?


りんごは病気にかかりやすいため、農薬や肥料を使わないと栽培は難しいと言われていますが、木村さんは10年以上試行錯誤を繰り返し、農薬や肥料を一切使わずにりんごを実らせることに成功されています。


弘前大学の杉山修一教授は、8年にわたり木村さんのりんご園の調査を続けられているそうですが、杉山教授が注目しているのが、微生物です。


木村さんのりんご園には、微生物が非常に多いのだそうです。


しかも、土の中だけではなく、木村さんのりんごは、従来の方法で栽培したりんごの2倍エンドファイトが多いことが判明しているそうです。


解説によると、エンドファイトは根や葉の表面から植物の中に入り込みます。


すると、植物の眠っていた遺伝子が働きはじめます。


その結果、植物がよく育つようになったり、病気や害虫への抵抗が高まったりすることが考えられているのだそうです。


北海道でも、稲にエンドファイトを導入する試みが始まり、農薬を使わずに病気の被害が軽減しています。


茨城大学では、従来の農業のあり方は微生物の多様性を損なってきたと考え、エンドファイトを使うことで失われた微生物の働きを補おうと取り組んでいます。


今までは、畑に作物を植えて、化学肥料をたくさん与えて、微生物の力を借りずに植物だけで育てようとしてきましたが、このような方法が農作物を病気にかかりやすくさせ、いろいろな環境ストレスに弱くしていると考えているそうです。


全国各地から約600種類のエンドファイトを集めて研究し、その中でも高い効果を発揮するエンドファイトがみつかっているようです。


たとえば、屋久島の土からとれたエンドファイトを使ったトマトの実験では、およそ1週間で、エンドファイトのないものに比べておよそ6cmも大きく伸びていました。


また、連作障害という白菜の病気を例にあげ、あらかじめ土にエンドファイトを入れておくと順調に育ったことから、エンドファイトが、原因となる病原菌の進入を食い止めたと考えられています。


さきほどの木村さんのりんご園は、農業という人間の営みの中に、自然の仕組みを利用したことが成功につながったと考えられているようです。


微生物というのは、研究者によって、90%がまだわかっていない、もしくはまだ1%もわかっていないといわれている世界であり、エンドファイトに至っては、つい最近になってわかり始めた微生物なので、何もわかっていないというのが現状です。


エンドファイトの恩恵ばかりを取り上げましたが、植物の生育が促進された例だけではなく、逆に、エンドファイトがつくことによって生育が悪くなる場合もあり、植物の生育を促進することがいいことなのかあるいは生育を悪くする方が悪いことなのか、よくわかっていないというのが現実だとも述べられています。


農業という営みの中に、自然の仕組みを利用する、植物と微生物のつながりの不思議さをより深く知ることによって、その知識を農業の現場に使っていくことが環境保全型の農業を確立するうえでの、第一歩となるのではないかということです。


エンドファイト(endophyte)を数秘術で見てみると、8が現れました。


物質に働きかける数字です。


整備、加工し、よりよい物質世界を創りあげていくのです。


なるほど・・・。


先月29日にCOP10が終わりましたね。


当ブログでも以前取り上げています。

こちら→生物多様性について


COP10でも生物多様性が取り上げられていましたが、今会議で採択された新戦略計画(愛知目標)には、「2020年までに生態系が強靱で基礎的なサービスを提供できるよう、生物多様性の損失を止めるために、実効的かつ緊急の行動を起こす」という趣旨の文言が入りました。


また、中長期目標(「自然との共生」)については、「2050年までに、生態系サービスを維持し、健全な地球を維持し全ての人に必要な利益を提供しつつ、生物多様性が評価され、保全され、回復され、賢明に利用される。」ことが合意されました。


植物が本来持っているけれども、出てこなかった力を引き出すことができる、それがエンドファイトの力であり、そこでは植物も利益があり、微生物のほうも利益があるという共生関係があるようです。


エンドファイトは、次世代の環境を守るという立場からも重要な研究と考えられています。


とにもかくにも可能性を秘めた未知の存在エンドファイトに注目です!