あくまでも個人の考えです。
本稿は限定記事を再編集したものです。




愛媛の愛光学園といえば、近畿以西ではラサール、久留米大附設と並ぶ、古豪の私立進学校です。今でこそ減っていますが、昔は毎年30人〜50人程度の東大合格者を出す学校でした。
その愛光が共学化したのが2002年、そして2025年から女子寮設置ということで、2025年の中学受験業界のホットなトピックです。

西日本には「女子が入学できるハイレベルな私立中学が無い県」がほとんどなので、今回の愛光の女子寮設置の目的は、西日本を中心に優秀な女子生徒を集める為だろうな、と思います。
女子寮はセキュリティ管理その他諸々が大変なので、男子寮がある学校が共学化しても女子寮は設置しないことが多いのですが、女子寮設置・運営の手間をかけてでも優秀な女子を集めたいのでしょう。
私立中学にとって、行き場のない優秀な女子を獲得することは、大学進学実績を上げることができる「最後のフロンティア」とも言えます。

2025年1月の愛光の東京・大阪入試は、「本番」前の練習や合格実績の「スコア稼ぎ」ではない、実際の入学も想定した「ガチな女子」が参戦することになるのかな、と自分は思います。



で、本稿の主題ですが、女子の上位層を育成するなら、ある程度同レベルの生徒を集めて鍛える方が良い、と個人的に考えています。結論から言うと「孤高のエース」的なポジションでは女子の最精鋭は育たない、と思っています。

これまでの自分(ロースかつ)の人生で、さまざまな才媛を観察してきて、女子は勉強の過程で「目標」ではなく「身近にいる同級生」を見て、自分の頑張り具合を決めているところがある、と思っています。
もちろん男子でも周りの環境に引っ張られる生徒は山ほどいますが、その「周囲に影響される度合い」は女子の方がずっと大きいように思います。

以前にも書きましたが、某女子校が毎年あれだけの東大合格者を出すのは、「東大に行くのが当たり前」だと思って勉強している同級生に囲まれている、その環境要因が決して小さくないと思います。

参考記事(限定)
逆に周りに優秀な生徒がいない、または少数だと、「この程度でいいかな」と手を抜きがちのように思います。このあたりが「周りを見ないで目標に突っ走ることができる男子」との違いであり、女子の「孤高のエース」が伸び悩む要因であるように思います。

ですから、女子の上位層を伸ばすなら、優秀な生徒をある程度以上の数を揃えて、「同レベルのライバルを見せながら」頑張らせるのが効果的だと考えます。
また、同じ観点から、直接的(物理的)に横が見えないweb授業は、女子の学力を伸ばすという観点からはかなり欠陥のある方式ではないか、という気もします。

優秀な女子生徒を集積して鍛える

これが女子の上位層を伸ばす最適解に近い、と自分は考えています。



P.S.
現在、最も東京大学が欲している「地方出身の女子学生」を正当な手段で増やす為にも、愛光学園の取り組みに期待したいものです。
P.S.2
個人的偏見ですが「女子の孤高のエース」は、決して低くない確率でその後の人生を拗らせている気がします。

参考記事(限定)