さんざんあたしを罵り、

さんざん暴力をふるったあとに、

夫はいつも土下座して謝ることを要求してきた。

「俺がいいと言うまで頭をあげるな」と

1時間以上、土下座させられたこともあった。

土下座しているあたしの頭を踏みつけてきたこともあった。

「ちゃんと反省しろ」と、寒い冬の雪の降る夜に

シャワーの冷水を浴びせられたりしたこともあった。


そして最後に、夫があたしに求めるものは、謝罪文。

どうしてこのようなことになったのかということ、

自分が何をしたのかということ、

そしてこれからどうするのかということ、

その約束を破ったら、どうするのかということ。

そんなことを書けと言った。


書いても夫の合格がでなければ書き直させられる。

結局は、自分の行為はすべて正当化し、

すべてをあたしのせいにする夫。


夫に押し倒されたあたしが息子にぶつかって、

息子が軽く転んでしまったときも

「お前が息子を蹴ったんだ、俺は見た」

「お前は子供に暴力をふるう最悪の母親だ」

そんなふうに、すべてをあたしのせいにしたんだ。

そしてそのことを謝罪文に書き加えろと言う。


【あたしが100%悪かったです】

【あたしが息子に暴力をふるいました】

【あたしは息子をおいて出て行き、育児放棄をしました】

【あたしが一方的に夫に喧嘩を売りました】

【次また同じことをして、その結果制裁をされても、

                  あたしは異議ありません】


夫が書けということを含めて書いた。

こんな書かされて書いた謝罪文に

意味なんかまったくないと心の中で思いながら

あたしは夫の言うとおりに書いた。

また暴力をふるわれるのが怖かったから。

それから少しして、夫は仕事を見つけてきた。

最初の仕事とも、少し前にやめてきた仕事とも

また違う職種。

あたしは何も言わなかった。


あの日以来、ドラマや映画などの暴力のシーンが

あたしは見られなくなった。

そんな場面が始まると、途端にあの日のことがよみがえり、

吐き気に襲われた。


あたしは夫に離婚を申し出た。

暴力をふるうような夫と一緒には暮らせないと思った。

一日も早く別れたかった。


でも夫は承諾してはくれなかった。

「なんで離婚なんてしなきゃならないんだ」

「お前が俺を怒らせるから悪いんじゃないか」

「お前さえちゃんとすれば、俺たちの関係は続けられるんだ」

「息子がかわいそうだとは思わないのか」

そんなことを言っていた。

それ以降はあたしの話に耳を傾けてくれなかった。


なんかもう、気持ちが疲れてしまった・・・。

あたしさえ我慢すればいいのかな、なんてふと考えていた。

その翌日、あたしの顔はさらに腫れ上がり、

身体のいたるところにあざができていた。

腕やお腹や足に痛みがあり、起き上がるのもしんどかった。

しんどかったけれど、重い身体をむりやり起こし、

息子の相手をし、家事をこなした。


夫はお昼過ぎに起きてきた。

リビングに入ってきた夫と目が合いそうになったけれど、

あたしがそらした。


夫がこわかった。

夫と一緒の空間にいるのがこわかった。


夫は何も言わなかった。

あたしも何も言わなかった。

夫も、どこか居心地が悪そうにしていた。


夫があたしを殴ったその日をきっかけに、

あたしの夫への気持ちはゼロになった。