富士急行5000形。
富士急の現役車両の中では唯一の自家製車両です。
1975(昭和50)年に、営業運転中に事故に遭い、そのままスクラップになってしまった車両の代替として2両編成1本が製造されました。製造当初は将来の増備も視野に入れていたみたいですが、結果的には増備されずに今日に至っているというところです。
全体的に見ればわかると思いますが、当時の国鉄115系(現・JR115系)電車の設計思想を採り入れており、窓割や手動式の半自動扉は115系をお手本としていることがよくわかります。室内も115系に準じたセミクロスシート構造で、このセミクロスシート構造が、のちに小田急からの中古車を一掃するべく導入された1000形電車(元・京王5100形)の一部の車両を転換クロスシート仕様にしたきっかけになったといっても過言ではないでしょう。
カラーは現在は富士急ハイランド内にある「トーマスランド」をアピールするものとなっていますが、登場時は上半分がオーシャングリーン、下半分がサランダブルーという塗り分けで、境目にアイボリーの帯が配されていました。
登場からもう40年が過ぎ、去就が気になるところですが、再び自家製車両に置き換えるのか、それとも大手私鉄または地方私鉄から中古車の払い下げを受けるのか?実に気になるところです。