大切なあなたへ

     『母とのわだかまり』




昔思ってたこと

私の母は他の子のお母さんと違う

なんであんなに

仕事、仕事、仕事…



他のお家のお母さん達は

おやつを作ってくれる

お人形さんの洋服を作ってくれる

一緒に遊んでくれる



家に帰っても

テーブルの上にお小遣い

これでおやつ買ってね

無言の硬貨が

そう言ってた



いつもおやつを買いに行って

友達の家に遊びに行く

ご飯食べてく❓

お母さんに連絡しとくよ

にっこりと優しい笑顔で言われて

ここのお家の子になりたい

そう思ってた

両親と一緒にごはんを食べる

その風景が羨ましかった




早く大人になりたい

そう思って

高校卒業後は

1人親戚を頼って

家を出た





楽しくて楽しくて

新しい世界は

あまりに眩しくて

魅力的で

刺激的で

いつの間にか

遠く離れて暮らす家族のことなど

すっかり忘れてた




学校を卒業したら就職は地元でするよね

母の言葉にウンザリしてた

新しい世界に居場所を見つけた私は

どんどん変わってしまった




社会人になり

1人で生活するようになって

両親と同年代の先輩もできて

少しずつ

自分の気持ちに変化が出てきた




でも

帰省するたびに

私の居場所がない事に

どんどん気づいて

なんだか

辛くなってきた

いつの間にか

仕事が忙しいから

素っ気なく言い訳して

実家に帰らなくなってた




朝珍しく職場に母から電話が

お父さんが倒れたの

帰ってこれる❓

私はパニックになったけど

今週末にでも仕事がひと段落したら

帰るね

そう伝えたけど

なんだか胸騒ぎがして

兄弟に連絡





お父さん意識ないよ

今すぐ帰ってきて

そう言われて

初めて事の深刻さに気づく

お母さん意識ないとか言ってなかったよ

みんなパニックになってるから

今処置中だから電話切るね





父の意識が戻ることはなく

夏に話た会話が最後になった





父が亡くなってから

私はなるべく母に寄り添うよう

心がけた

法要が終わった夜

布団を並べて2人きりで話して

思い切って正直な気持ちを

伝えてみた




お母さん

小さい頃から

すっごい寂しかったよ

自分がいらない子なんだと思って

早く大人になりたいと

思ってたんだ

私は今まで溜め込んでた感情を

そのまま母にぶつけ

母は私が話終わるまで

黙って聞いてくれた




しばらくして


そんな風に思わせてて

ごめんね

あなたは私の大事な大事な娘

お腹の中にいる時から愛してたし

あなたが無事に生まれてきてくれて

どんなに嬉しかったか




私は母でもあるけど

会社の経営者でもあって

言い訳になるけど

社員の生活も守らなければならず

女性社長ということもあり

偏見もすごかったから

その分

仕事に対して必死だった

あなたが特に思春期の頃は

扱いが分からず悩んでたけど

一度もあなたを手放したいとか

思ったことはなかったよ

辛い思いをさせてたこと

それに気づかなかったこと

ごめんね

もっと早く言ってくれたら

そこまで辛い思いしなくてすんだのに




何かが私の中で崩れ落ちるのを感じ

今まで流してた涙とは違う

涙が止まらなかった






私は愛されてたんだ








母とはまた1から

親子をやり直そうと思える自分がいて

時間はかかるかもしれないけど

あと何回

おはようとかおやすみって

言えるか分からないけど

それまでは

今まで恥ずかしくて

言わなかった言葉を

たくさん言おうと思う





お母さん

大好きだよ

ありがとう






そして

いっぱい手を繋いで

いっぱいハグしようと思う


私はあなたの娘として生まれこれて

本当に幸せです

ありがとう







祐美