いつもブログを読んでいただいてありがとうございます。
不登校・引きこもり改善カウンセラーの田中勝悟です。
我が子が不登校になると、多くの、特にお母さんは、「私の育て方が間違っていたんじゃないか」と自分を責めます。
親の愛情不足が原因じゃないかと思ってしまいます。
不登校は親の愛情不足が原因ではありません。
もちろん、そういったケースもありますが、不登校は親の愛情不足で起こるものではありません。
その証拠として、ひどい虐待やネグレクトを受けていながらも学校に来る子どもは多くいます。
獣臭という言葉をご存知でしょうか?
これは親のネグレクトがひどかったり、家庭環境が悪くて、子どもがお風呂に入れず、また洋服も洗濯してもらうことができないために、獣のような悪臭を発している状態を指します。
よく、虐待を受けている子どものケース会議では、この言葉が出てくるのですが、ひどい悪臭をしながら学校に行っている子どもは結構います。
これだけでも、親の愛情不足が不登校の原因であるとは言えない理由です。
もし、不登校気質を持っている子どもであれば、自分の体臭が周りにどう見られているか気になり、学校へ行けなくなってしまいます。
しかし、そういうことを気にしない子どもは学校に行くことができます。
一生懸命、親の愛情を注いでも、そして子どもとの関係が良好でも不登校になる子はなるのです。
逆に親の愛情が全く欠けていても、学校に行ける子は行けるのです。
家が嫌だから学校に行けるとは限らない
こんなことを言っていると、「家庭環境が劣悪だったら、そりゃ家にいないで学校にいるでしょう?だって家にいる方がしんどいんだから」という疑問が出てくるかもしれません。
しかし、不登校気質を持っている子どもが無理して学校に行った場合、大抵は保健室か別室登校で過ごすことが多いです。
家にもいたくないけど、学校にも行きたくない。
だから、別室登校だったり、保健室登校だったり、クラスには入れないものの、そうしたところで頑張って過ごしている子が多いです。
私はスクールカウンセラー時代に、そうした子どもたちを多く見てきました。
これを学校に行っていると捉えるかどうかは、個人の見解に任せますが、私から見たら家にも学校にも居場所がないという意味では、不登校状態の子どもより、かなりつらい状態のような気がします。
また、居場所が宙ぶらりんというのは、心の成長にとってもあまりよろしくありません。
大人になって、また同じことで大学や会社に行けなくなり、そのまま引きこもってしまった人たちも多く見てきました
家庭環境が悪すぎれば、不登校にならないというのもどうやら間違いなようです。
過度に自分を責めないことが大切
文科省は「不登校は誰にでも起こりうる」と言っていますが、実際は不登校の原因を持っている子どもがなります。
それは、感受性の高さや、自分らしさと上手に付き合うだけの心の強さが持てないなどの不登校気質と呼ばれるものです。
このブログを読んでいるお母さんやお父さんにお願いです。
まず、「不登校になったのは自分のせい」とご自身を責めないでください。
不登校になったのは、親の子育てのせいだけではありません。
不登校になるための原因は子ども自身の中になります。
大切なことは、その不登校気質の部分と子どもがどうすれば上手に折り合いをつけることができるかということ。
子どもが将来自立して生きていくことができるために、自分には何ができるのか、子どもをどういう風に理解していけばいいのかを考えていくことが大切です。
今、自分にできることを考えていきましょう。
それが子ども自身の未来につながっていくのだと思います。
室長:田中勝悟