結婚式場探しで、実際に会場に訪れたその際、優秀なプランナーであるかどうかを判別するテクを紹介する第二回目。
前回は初対面の御挨拶のところまでだった。
その後、婚礼サロンのテーブル席に案内され、着席して本格的な相談が始まる。
なお、その前に来館者アンケートを記入することも多い。
これによって、プランナーはふたりが希望するおよその内容を把握する。
「お日にちのご希望は○月くらいで、…」
という風に、最初はアンケートに書き込んだ内容に沿って、プランナーがいろいろと質問をしていくヒアリングタイムがある。
優秀なプランナーは、この場面で、けっこう寄り道をするのである。
つまり雑談だ。
車で来館したふたりには、
「今日は○号線、混んでいましたか?」
あるいは新郎新婦の自宅が自分の住まいと近い場合は、
「○○町ですか、私もスーパー寿屋にはよく買い物に行くんです」
というようなトークの“振り”を行なう。
もちろん、次の下見の予定があって、滞在時間が短い場合は、雑談は抜きになる。そのあたりのKY能力も優秀であるはずだ。
ただ、みなさんにお願いしたいのは、ひとつの会場の下見時間は、最低でも2時間は確保してほしいということ。
そうでないと、行った意味がない。
つまりその会場の良さ、悪さも判別できないと思うからだ。
ムリな下見のスケジュールを立てないことが、良い結婚式にするための最初の注意点といえる。
このプランナーの雑談は、興味がなければ付き合う必要はない。
ただ、優秀なプランナーほど、
「そういうことを聞いてくるか!」
というツボを突いてくるので、こちらもついつい楽しくなって応じてしまう。
そういうプランナーであれば、間違いなく優秀だ。
またお客さま、つまりふたりのキャラによって、話題も接客テイストも変幻自在にかえられるのが、優秀なプランナー。
これはけっこうハードルが高いので、それができるプランナーは相当優秀だといえる。
「優秀で、なおかつ、人間的にもいい人であってほしい」というのが、堂上の望む理想のプランナー像。
しかし、これまでの場面から、一般の新郎新婦がそれを判別するのは、なかなかに難しいことも事実だ。
だから、判別のポイントを要約しておこう。
・ふたりの望む内容を具体的に提案してくれる人、肉付けしてくれる人
・まだ漠然としているふたりならば、いろいろと親切に教えてくれる人
・目の前にいるふたりを心から幸せにしたいという熱い気持ちが伝わってくる人
・会社の利益になりそうもないことで、ふたりのために苦労してくれる人
・当日のゲスト=お客さまの視点に立ち、ふたりの希望に敢然と「NO!」といえる人
・結婚式のことだけでなく、そのほかのこともいろいろとアドバイスをくれる人
・PART1の冒頭で書いたが、この出会いを“運命”と思い大切にしてくれる人
だいたい以上のようなマインドを持つプランナーであれば、安心して任せて良いと思う。
「どういう人が、ダメプランナーなんですか?」
という質問には、これまで紹介してきたことのいちいち逆を行く人だと考えてもらえばいい。
最後に一つだけ。
プランナーも生身の人間。怒りたいところを怒れず、とてもストレスのたまる仕事でもある。しかも給料は、新郎新婦がほぼ同年代なら、たぶんそれより安い。
それなのに、新郎新婦が当日幸せそうに微笑んでいたりするとほっとし、新婦が終宴後に涙を流しながら「○○さんのおかげで、こんないい結婚式になりました」といわれると、つられて涙してしまうような、そんな人たちなのです。
だから、みなさんも、お金を払っているのだから当たり前、みたいな姿勢ではなく、1人の人間対人間としてプランナーと付き合ってほしいと思う。
またそういう付き合いができるふたりならば、きっとそのプランナーも意気に感じ、素晴らしい結婚式のために努力を惜しまないと思う。
結局は、人と人。
この出会いを見事な果実=素晴らしい結婚式にできるかどうかは、新郎新婦のお人柄や人生観、社会経験が大きく影響するのは間違いない。その点もしっかりと理解して、プランナー探しをしてほしい。