村山由佳を語るのに、大人の恋愛小説だけでは片手落ちで、青春小説にも優れた作品がある。大人の性愛を描く小説とはある意味対極にありそうなのに。
初期作品には、青春小説の方が多いのか。
「天使の卵」で小説すばる新人賞を受賞しているから、この作品が世間的には広く知られたデビュー作であり、天使シリーズは実際200万部売れているというから青春バイブルに近いのかもしれない。

天使の卵
天使の梯子
天使の棺
へヴンリーブルー

恋愛と別れ、生と死、悲しみ、傷ついた者が再生するまで描かれている。
愛する人が突然死んだら、自分が言ってしまった言葉ややってしまった行動にものすごく後悔する。このシリーズは、自分のことだと思って読んでしまう小説なのだ。

「誰に何を言われても消えない後悔なら、自分で一生抱えていくしかないのよ」

このシリーズで何度と出てくる言葉だ。

受賞した時の村上さんの言葉に
「一人になりたい時は、海を見に行く。
いま一番の夢は、クジラと泳ぐこと。傷ついてやさしくなった人間を、描き続けて行くこと」とあった。

一気読みの良いところは、作者が10年かけて完結したシリーズを記憶の新しいところで全て読めること。
良くないところは、言葉ひとつひとつを味わいながらじっくり読んでいないこと。

古幡慎一くんが、おばあちゃんを亡くしてしまう箇所がいちばん泣けました。

お勧めです。

多作な作家さんだから、宮下さんや桜木さんの作品のようにコンプリートするのは難しいだろうなぁ、( ´-`)