バイキング方式の夕食は
どれもとても美味しかった♡
みんなで
ワイワイしながら
ご馳走になった。
すっかり夜になり
浜辺に集まることになった。
各部屋にある懐中電灯を
手に持ち
それを照らしながら
浜辺まで歩いた。
しかし…
真っ暗だ…





浜辺に着いた早々
誰かが
北斗七星を見つけた。
満点の星空…
とはいかなかったが
それでも
無数の星が輝いていた。
裸足で波打ち際に立ち
砂を踏みしめた。
大地のエネルギーを
感じながら
波の音を感じていた。
「海がキラキラ光ってるー?」
誰かが言った。
透き通る
その美しき波間に漂う
夜光虫だった。
誰とはなしに
砂の上に寝転がった。
もちろん
服のまま
そして
そのまま
星を見上げていた。
星がどんどん増えていく…
あ!
同時に何人かの
声が挙がった。
流れ星だった…





「初めて見たかもしれない」
誰かが言った。
寄せては返す波音が
時おり人を黙らせる。
その短い沈黙の中
漆黒の夜に包まれながら
星になったかのような
瞬間を感じた。
気がつくと
目の前に
美しき妖艶な三日月
その輝きが
水面を黄金に染めていた。
あぁ
踊れるならば
いや…
「舞い」と言った方が
しっくりくる。
あのいざなうような
月光の下で
舞えるものなら
舞ってみたかった…
しかし
瞬時に
その素直な感性を
阻む思考を覚えた。
憎しみに似た尖った感覚が
胸を刺した。
三日月は
そんな感情を助けるように
雲に隠れてしまった。
見透かされたようで
涙が溢れた。