ベトナムの労働法
労働契約を終了する場合
ベトナムでは、労働契約の終了事由が労働法36条に定められています。この事由以外では「労働契約を終了する(解雇含む)」ことができません。
労働契約の終了事由
| 理由 | 詳細 | |
|---|---|---|
| 1 | 労働契約の期間満了 | 有期雇用の場合。ベトナムでは有期雇用が主流のため、会社として労働契約を解除したい場合は契約満了まで待つことも。 期間満了の少なくとも15日前までには「書面」で、労働契約解除日を通告する必要がある。 |
| 2 | 当該契約所定の業務の終了 | |
| 3 | 契約当事者双方の合意 | 退職勧奨等を含め、両者が合意して退職する場合はここに該当する。 「退職合意書」等を交付し、証跡として残すことが多い。 |
| 4 | 定年退職(原則として男性60歳、女性55歳) | |
| 5 | 労働者が死刑・懲役刑に服した、又は労働契約上の職務に従事することが禁止された場合 | |
| 6 | 従業員の死亡、または行為能力の喪失 | |
| 7 | 雇用者(個人の場合)の死亡もしくは行為能力の喪失・雇用者(非個人の場合)の営業終了 | 倒産・解散等の場合 |
| 8 | 懲戒解雇 | 懲戒処分については後述 |
| 9 | 自己都合退職 | 【退職事由】 無期雇用⇒理由を問わず可能 有期雇用⇒法律上定められた場合のみ可能 【報告義務】 有期雇用⇒退職事由により定められた期間までに通知 無期雇用⇒退職日の45日前までに通知 |
| 10 | 会社都合退職 | ①頻繁な業務遂行懈怠 ②一定期間以上の治療にも関わらず就労不能の場合 ③天災等不可抗力自由により、労働者削減の必要性が有る場合 ④一時勤務停止期間の終了後15日以内に勤務者が勤務地に表れない場合 ⑤組織・技術の変更(整理解雇)、経済上の問題(整理解雇)、企業の合併等の場合 |
※実務的には、解雇等会社都合退職は行わず、≪事由3≫の労使双方の合意による退職が多いようです。現地のコンサルと相談の上、対応することをお勧めします。
労働契約を一方的に解除する際の手当と制度
ベトナムでは、一定の事由に該当する場合は、解雇手当・失業手当を会社が支払う必要がある旨法律により定められています。日本とは異なり働き口が多く、ベトナム人が日本ほど会社に執着することはあまりありません。よって、事由はどうあれ「退職」は比較的多くなっており、解雇手当・失業手当の要否については確認しておく必要があります。
| 項目 | 詳細(労働法第48条、49条) | 支払う必要のある事由 |
|---|---|---|
| 解雇手当 | 勤続12ヶ月以上の被雇用者に対し、 勤続1年につき半月分の賃金に相当する解雇手当の支払いが必要 | 前述の労働契約終了事由 1.2.3.5.6.7.9に該当する事由による退職 |
| 失業手当 | 勤続12ヶ月以上の被雇用者に対し、 勤続1年につき1ヶ月分の賃金に相当する解雇手当の支払いが必要 | 前述の労働契約終了事由 10.の⑤に該当する事由による退職 |
これらの解雇手当・失業手当は、直近6ヶ月の平均賃金により支払われます。また、失業保険に加入していた期間については、当該手当を支払う必要はなく、失業保険はほぼすべての従業員が加入する必要がありますので、結果的に解雇手当・失業手当を会社が払うこととはほぼありません。
なお、会社から一方的な契約解除の場合については次表のとおり、予告期間が設けられています。
| 無期雇用 | 少なくとも45日前 |
|---|---|
| 有期雇用 | 少なくとも30日前 |
| 季節的労働又は特定業務 | 少なくとも3営業日前 |