ちょっと元気のないような声
どうかしたの?と聞くと、今日誕生日、と。
今までそんな事で連絡なんかしてこなかった。
きっと私となにか話したかったんだろうと思う。
…そう、おめでとう。
それだけ伝えた。
田植えの準備が忙しいとか
旦那は元気か
子どもはどうだ、など聞いてきた。
…うん、まあ、ぼちぼち。
会話という会話はせずに電話は終わった。
終わってから涙が出た。静かな涙。
優しくしてやれない自分。
自業自得と思ってしまったのは、あんまりな気がして自己嫌悪。
お父さんの事は、本当は好きなんだ。
だけど心のどこかで許せないんだ。
今、育児をしているから分かる親の気持ちもあるけれど
育児をしているからこそ理解できない親の行いがある。
どんな気持ちで子育てしていたのか
なぜあの時、ああしてくれなかったのか
あんな言葉をかけたのか
なんでもっと見ていてくれなかったの
気持ちを汲み取ろうとしてくれなかったの
愛している事を感じさせてくれなかったの
そもそも愛されてなどいたのだろうか
私はあなた達にとって何?
どんな存在ですか。
子供がいる今だからこそ分からない。
こんなにあったかくて愛しくて守りたい存在。
こんな私が育ててもいいのかと思う。
真っ白で真っ直ぐ。
私は愛情を示しているつもりなのだけれど
ちゃんと伝わっているかな?
やり方は間違っていない?
壊れそうで壊しそう
まだまだ小さな小さな私の宝物。
愛しているよ、大好き。
父親の事
こんな風に思っていても好きだと言えるのだから
子どもは皆んなが言うように
全面的に親が好きなのだと思う。
問題は母親。
母親の事は、今はもう、好きだとは思えなくなってしまった。