片思いを実感する日々。

先輩が先に退社した日があった。
定時過ぎ間もない時間だったので、
まだまだ残業しないと終わらない私は
早く帰れるなんて羨ましいという気持ちで「お疲れさまでーす」と自席から声かけ。

無意識に先輩の目をずっと見つめてしまっていたら、向こうも私から目を離さずなんだか見つめ合う感じになっていた。
そしてこっそり下の方で手を振っていて、反射的に私も小さく手を振り返した。

先輩の姿が見えなくなった後
ニヤついてしまう顔を隠すために下を向いた。
思い出すとうかれて集中力が切れたり、それをカテにまた集中したり。
本当私単純だな…
でも冷静に考えて、手を振るってどういう心理…?
素直にプラスに捉えていいのか…そんなに意味はないから期待するなと自分に言い聞かせたり。頭の中は忙しい。


一日一回は話ができたら良いなと思ってるけど、なかなかそうもいかない。

用事があって私が先輩の近くに行くことがあれば、きっと話しかけてくれるかな…とも思うけど、忙しいみたいで視線さえ感じないことも多い。

やっぱり少しでも脈ありな可能性を感じたのは単なる勘違いだったのか…
先輩の考えていることが本当に全くわからない。

電話の取次で内線で話す日もあるけど、取次だけだから特にこれといったこともなし。
全く話せない日があると、ため息がでてしまう…。

無理に話す機会を作っても不自然だから、タイミングとかもあるし焦らないように…と自分に言い聞かせる。

毎日同じフロアで仕事してるのに、心の距離はなかなか縮まらない…

たわいもない話を一言できただけで一気にテンションも気分も盛り上がる。
表には出さないようにしてるけど。

話さない日が続くと一気に気分も下がってしまい、あの気持ちは恋に恋してるだけなのか?とさえ思う。

せめて席がもう少し近ければ…

今は素直に仕事に集中するしかなさそう。。
2軒目での話の流れで、会社の先輩のことが気になっていることを伝えた。

向こうは驚きながら「だから連絡しても反応が冷たかったのか!」と納得した様子。

年下くんが私とどうなりたいのか謎だったし、私から進展させる気もなかった。
だから会社の先輩のことも話す気は無かったけど、流れで話したことを伝えると、なんだか寂しそうな反応をされた。

そんな姿を見ても、煩わしさしか感じなかった私、本当にドライだ…。

半分ふざけながらも「え、俺は?俺はあなたのこと一番だよ!(女の人の中で一番特別な存在という意味らしい)」と言ってきたけど、「そんなこと言われても困る。私は一番ではないし」と突き放した。

そこからまたいろいろと話をしたけど、彼は過去の恋愛の影響で、人を好きになる感覚がよく分からなくなったというか、怖くなってしまったらしい。

そんなこと言われてもね…今の私にはそうとしか思えなかった。
まだ知り合ったばかりのころ、私が彼に興味があるときに、彼は「付き合うとか考えてない」と言った。

付き合うとか煩わしいのかな、まだ遊びたいのかな、私にそこまでの魅力がないのかなと思って、彼への気持ちはあっという間にフェードアウトしていった。

その後、数ヶ月ぶりに彼から連絡がきてから、ただ宅飲みしてダラダラ添い寝することを繰り返してきたけど、その間に気持ちに変化があるかどうかなんて分からない。
何か言われたわけでもないし、割り切って添い寝する関係になってると思ってたから。

たまに外出しても、インドア派な彼は「久々に昼間から出かけて疲れた」と言って、口数がだんだん減っていって、こっちのテンションも下がって終わったこともあった。

彼と過ごす時間はそんな感じだったので、イマイチ面白みを感じなくなっていた。


不倫相手のことを聞かれた。
「既婚者とは最近連絡取ってんの?」
「そんなに。6月は会ったけど」
「え、最近じゃん!なんで既婚者とはヤルのに俺とはしてくれないの?」
「別に断ってないし。自分がして来ないんじゃん」
「俺は、乗り気じゃない相手とはやらないようにしてるの」
「ああそう。じゃぁ一生することはないね。私誰が相手だって乗り気になんてならないし」
「今までの人みんな?既婚者とも?」
「そうだよ。むしろ既婚者の方が目的がわかってるし、割り切ってるから楽。勢いで来られればそりゃやるでしょう」
「そうなんだ…」

彼なりに気を使ってくれていたらしい。
そんな彼の意図は私に全く伝わっていなかったけど。

そんな赤裸々な話を繰り返しているうちに終電を逃していて、カラオケに行きたいという話でお店を出たのに、なぜかホテルに向かう羽目に。

彼のことは嫌いではないし、彼の気が済むならいいかという軽い気持ちだった。


結果、飲み過ぎて彼の身体ができる状態じゃなく未遂に終わったけど…


二人であんなに話したのは初めてというくらい、赤裸々な話をたくさんした。
私としては、彼のことはもうどうにでもなれという思いからだったけど。

それに便乗して向こうもようやく本心を話し始めて、意外に私のことが気になってたんだなということを知った。

どう思っているかは言わないと分からないものだな…ましてやグダグダな関係だとなおさら。

いずれにしても、私の気持ちはもう会社の先輩に向いているから、年下くんと付き合うことは考えられない。

だからあえて、私としてどうなりたいのかなど核心をついた言葉は言わずにいた。


朝方「ほんといつもだけど、一夜明けると冷たいよね」と言われ、私は根っからのドライな人間なのかなと思った。
傷つきたくなくて、そっけない態度をとってるのかもしれない。


帰り際の改札前で「その男の人、落とせるように頑張ってね」と言われてわかれた。

もう年下くんから連絡がくることもなさそうだから、会うことはなさそう。

もし連絡が来たら、ぶっちゃけ話をできる仲だと割り切った時だろうな。

年下くんには貴重な経験させてもらいました。
ありがとう。


やっぱり私は、好きな人ができるとその人にしか興味がなくなるんだなと改めて実感した。

毎日顔を合わせることって大きいみたいで、会社の先輩のことが好きになっているみたい。

添い寝する仲の年下くんとは1ヶ月ほど全く連絡していなかった。
仕事で疲れてる時に、わざわざ会うことにメリットを感じなくなってたから。

何よりも自分の気持ちは会社の先輩に向かっていたから、それ以外の人にエネルギーを使う気が起きないのが大きいけど。

最近年下くんから連絡が来た。
いつものように、仕事終わりに向こうの家で宅飲み。そのまま添い寝して、次の日は昼までダラダラ…の流れだろう。

そんなことに時間を使うくらいなら、自分の家で一人で気ままに過ごしたい気持ちが勝ったので、疲れていることを理由に断った。

それから一週間程経ってまた誘いが来た。
休みの日だったので、外に飲みに行くくらいならいいかと思い承諾した。

珍しくお店を予約してくれたりして。なんだかいつもより私の機嫌を取ってくるような感じがした。

1軒目を出たときはまだ22時。
向こうは当然のように「うち来る?」と言ったが、もう向こうの家には行かないと決めていたので
「もう行かない。2軒目行くならいいけど」と断ると「え、もう行かないって何?せっかく掃除したのに。うち来ないってことは、逆に俺がそっちの家行くのはいいってこと?」と。

変にプラス思考過ぎて呆れた…
私は、彼が今後私とどうなりたいのかが全くわからず、そんな彼に付き合いきれないと少し嫌気がさしていた。

ひとまずその日は2軒目に行き、お互い結構な量を飲んで、いつもより言いたいことを言い合ったり、今まで話してこなかった恋愛話を話したりした。

…なんだろう、私が彼を突き放すように、他の男の人の話をすればするほど、すがってくる感じは。

少し前の私ならかわいいと感じていたのか…?今は会社の先輩に完全に気持ちが向いているから、年下くんにそんな気持ちは一切わかなかった。