作品を描き終えたあと、
私にはいつも少し不思議な感覚が訪れます。
描いている間は、
絵と自分がどこかでつながっていて、
必要な情報や感覚が流れ続けているような感じがあります。
「ここは違うな」
「なるほど、そういうことか」
そんなやり取りをしながら、描き進めていく時間です。
でも、完成のタイミングが来ると、
ある瞬間、ぷつりとそれが切れる感覚があります。
完全完成の夜、水バケツを洗いに行ったときに
「あ、切れたな」と思いました。
それ以降は、
描いていたときの情熱や情報の流れが静まり、
絵に対しても、少し距離ができたような感覚になります。
それは価値がなくなるとか、
嫌いになるということではなくて、
役目が終わった、という感じに近いのかもしれません。
最近は、
この“切れる感覚”も含めて、
作品がひとつ完成したサインなのだと
受け取るようになりました。
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