ブタ体内で膵臓再生 移植用臓器作製へ前進 | 真実と幸せ、科学をサポートする ラエリアンハニーリーです

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2013.2.19 08:04

 遺伝子操作で膵臓(すいぞう)をできなくしたブタの受精卵(胚)に健常なブタの細胞を補うことで、正常に働く膵臓を持ったブタを誕生させたと、東京大の中内啓光教授と明治大の長嶋比呂志教授らのチームが18日付の米科学アカデミー紀要に発表した。

 膵臓のほか、心臓や腎臓など特定の臓器を欠損させたブタの胚に、人間の細胞を注入して、移植用の臓器を持つブタを誕生させる可能性に一歩近づく実験。注入する細胞はさまざまな組織になる能力が必要で、人工多能性幹細胞(iPS細胞)も候補になるという。

 今回の実験では、遺伝子を操作して膵臓のないブタの胎児を作製。その細胞をもとにクローン技術を利用して胚を作った。この胚に健常なブタの胚の細胞を注入すると、両方のブタの細胞が混在したブタに成長した。膵臓が欠損するはずの部分には、健常なブタの膵臓ができており、正常な成体に育った。

 中内教授は3年前、同様の方法でマウスの臓器再生に成功していた。ただ、人間の細胞が混ざった動物の胚を子宮に戻す実験は、国の指針で禁止されている。

 上野博夫・関西医大教授(幹細胞生物学)の話「人とブタでは臓器の大きさは似ていても種としてはかなり離れているため、実用化に向けた障壁は大きいだろうと言われている。iPS細胞の前に胚性幹細胞(ES細胞)を使ってみたり、人の前にサルで実験したりといった段階が必要になるのではないか」